コラム

米党派政治の深い溝が、ユダヤ系社会を分断する

2018年05月12日(土)15時10分

ユダヤ系コミュニティーに占める保守派の割合は、アメリカの19%に対し、イスラエルは約2倍の37%。彼らイスラエルの保守派は「イスラエル・ファースト」を掲げ、国家主義的な傾向を強めている。

「イスラエルで新国家主義と宗教的右派が台頭」するにつれて、政治的にはるかにリベラルなユダヤ系アメリカ人とますます疎遠になっていくと、政治学者のブレント・サスリーは言う。

それが最も顕著なのは、パレスチナ問題だ。ガザ地区のパレスチナ人に対するイスラエルによる不当な扱いを、ユダヤ系アメリカ人の論客は厳しく批判している。ポートマンも、「70年前にホロコースト(ユダヤ人大虐殺)からの避難場所として建設された」イスラエルが「残虐行為に苦しむ人々を虐待することは、私のユダヤ人としての価値観と相いれない」と語る。

米国内でトランプに関わった人は、閣僚も専属医もことごとく自滅している。イスラエルの指導者もアメリカのユダヤ系コミュニティーの強固な支持を望むなら、トランプと同化し過ぎないほうが賢明かもしれない。今の時代、政治的な絆は宗教より強いようだから。

<本誌2018年5月15日号掲載>

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サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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