最新記事
シリーズ日本再発見

スメハラを防げ──活性化する日本の「におい対策」市場

2019年06月06日(木)11時05分
高野智宏

排出されるにおいが激減する加熱式たばこ

口から出るにおいといえば、不人気の代表格はたばこのにおいだろう。最近、紙巻きたばこから「Ploom(プルーム)」「IQOS(アイコス)」「glo(グロー)」といった加熱式たばこへ移行する喫煙者が増えているが、その理由に「におい」を挙げる人が多いという。

というのも、加熱式たばこから排出されるにおいは、紙巻きたばこと比べものにならないほど少ないというのだ。

JTのPloom 製品サイトに、興味深い調査データがあった。それによると、紙巻きたばこのにおいの濃さを100%とした場合、高温加熱型の「Ploom S」で5%未満、さらには低温加熱型の「Ploom TECH」と「Ploom TECH+」では、1%未満という数値を実現しているという(なお、IQOS、gloはPloom Sと同様の高温加熱型)。

この数値を裏付ける身近な逸話がある。実は筆者の妻は大の嫌煙家であり、紙巻きたばこの喫煙者であった筆者の喫煙場はベランダのみ。換気扇の下であれ家の中では喫煙することが許されず、喫煙直後の会話は喫煙前よりもやや距離を取られているような状況であった。

しかし、紙巻きたばこから「Ploom TECH」に替えたところ、そのにおいの少なさから家のリビングをはじめ、なんと車内での喫煙も許可されることに。しかも、カートリッジのフレーバーによっては「いい香りだね」という反応をするまでになったのである。

「服に付くたばこのにおいがほぼ感じられない」という実験結果もあり、紙巻きたばこは禁煙だが加熱式たばこは喫煙可能という飲食店も増えてきているという。これも喫煙者と非喫煙者が快適に共存できる、新たな分煙スタイルといえるだろう。

とりわけ低温加熱型の加熱式たばこであれば、従来の紙巻きたばこより99%もにおいがカットされるというのだから、スメハラと訴えられないためにも、喫煙者は移行を検討してみてはどうだろうか。

japan190606smell-5.jpg

(いずれも)「Ploom TECH+」/4,980円(税込、デバイスターターキットの価格)

かけておくだけでスーツのにおいを低減するハンガー

マンダムのアンケートで第1位となった「体臭」だが、これはスーツに付いたにおいである場合も多いのではないか。梅雨の時期の満員電車内で衣類から発せられる汗が発酵したような嫌なにおいに、身に覚えのある人も多いだろう。

そこで提案したいのが、パナソニックの脱臭ハンガー「MS-DH210」だ。

これはハンガーに設けられた、襟や肩、脇や背中用など8つの吹き出し口から「ナノイーX」(不快なにおいを抑える効果のある高反応成分「OHラジカル」を、ナノイーの10倍含む微粒子イオン)を放出し、ジャケットやパンツに付いたにおいを分解脱臭してくれるという製品。これまでになかった、優れもののアイデア家電である。

その効果は約5時間の通常モードで、衣類に付着したたばこ臭を1.3低減、汗臭(酢酸)を1.5低減、そして、焼き肉臭も1.1低減と、それぞれ「臭気強度」を低減するという(約6畳の試験室内で、6段階臭気強度表示法による検証)。また、いつもよりにおいがキツイと感じた場合、約7時間運転のロングモードで、さらなる脱臭効果を図ることができる。

毎日洗うわけにはいかないジャケットでも、帰宅して夜、このハンガーにかけておくだけで、寝ている間に脱臭してくれる。体臭予防の強い味方になるだろう。

japan190606smell-3.jpg

「脱臭ハンガー(MS-DH210)」/オープン価格

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年2月以来の低水準
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 7

    ロシア黒海艦隊「最古の艦艇」がウクライナ軍による…

  • 8

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中