ニュース速報

ワールド

世界の失業率、金融危機後の改善基調が一服=ILO年次報告

2020年01月21日(火)08時41分

 1月20日、国際労働機関は、世界の雇用情勢に関する年次報告書を発表し、金融危機以降、9年にわたり低下し続けた失業率は、ほぼ横ばいとなっていると明らかにした。写真は2010年2月、米サンフランシスコの雇用センターで撮影(2020年 ロイター/Robert Galbraith)

[ジュネーブ 20日 ロイター] - 国際労働機関(ILO)は20日、世界の雇用情勢に関する年次報告書を発表し、世界的な金融危機以降、9年にわたり低下し続けた失業率は、ほぼ横ばいとなっていると明らかにした。

ILOによると、2019年の世界全体の失業者は推計1億8800万人で、失業率は5.4%と前年から変わらずだった。20年も横ばいが見込まれ、21年には5.5%に上昇する見通し。

ILOは「2009年から2018年までの失業率の緩やかな低下は、終りを迎えているようだ」とし、製造業を中心に世界経済は減速していると指摘した。

多くの人々にとって、仕事を通じてより良い生活を築いたり貧困から抜け出すことは一層困難になっており、ILOのガイ・ライダー事務局長はこうした状況について、社会的つながりに極めて根本的かつ憂慮すべき影響を与える可能性があり、非常に懸念すべきことだ、と指摘した。

さらに「仕事に関する不平等や排除の問題は根強く、何百万もの人々がまともな仕事や、より良い将来を手にすることができないでいる」と説明した。

失業者だけでなく、希望するだけの労働時間が与えられていない人、労働市場へのアクセスが無い人を含め、約4億7000万人が満足な仕事に就けていない状態にある。

また、15─24歳で失業中、もしくは、教育・職業訓練を受けていない人は全体の22%に達しており、若年層の失業問題が深刻となっている。

女性の労働参加率は47%にとどまり、男性の労働参加率を27%ポイント下回っている。

一方、世界全体で働く貧困層(ワーキング・プア)は減少している。ただ、サハラ以南のアフリカなど低所得国では、わずかな状況改善しかみられない。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米金利先物、9月利下げ確率60%に小幅上昇 PCE

ビジネス

ドル34年ぶり157円台へ上昇、日銀の現状維持や米

ワールド

米中外相会談、ロシア支援に米懸念表明 マイナス要因

ビジネス

米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比+2
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中