ニュース速報
ビジネス

北京モーターショー開幕、NEV一色 国内設計のADASも

2024年04月25日(木)20時01分

中国最大の自動車展示会である「北京モーターショー」が25日、開幕した。広州汽車のブース。(2024年 ロイター/Tingshu Wang)

Kevin Krolicki Zoey Zhang Sarah Wu Qiaoyi Li

[北京 25日 ロイター] - 中国最大の自動車展示会である「北京モーターショー」が25日、開幕した。

大手メーカー各社が最新の電気自動車(EV)を展示するなど、会場は新エネルギー車(NEV)一色。蔚来汽車(NIO)の創業者、李斌氏は「北京モーターショーでは、もう誰もガソリン車には興味がない」と語った。

主催者によると、今回のモーターショーでは117の新モデルが発表される予定。昨年の上海モーターショーでは93モデルだった。全体では昨年より7モデル多い278モデルのNEVが展示される。会期は来月初めまで。

会場ではEV世界最大手の比亜迪(BYD)やスマートフォン大手の小米(シャオミ)など国内メーカーのブースに人だかりができた。

会見したシャオミの雷軍・最高経営責任者(CEO)は同社初のEV「SU7」について、返金不可の受注台数が7万5723台に達したと表明。BMWやアウディのオーナーからも注文が入っていることを明らかにした。

BYDは格安なイメージを払拭するため、高級ブランド「仰望」「デンツァ」を積極的にアピール。ハッチバック「OCEAN-M」も公開した。価格は15万─20万元(2万0699─2万7598ドル)。

劣勢の海外勢も中国への投資拡大を表明。日産自動車は中国市場向けのコンセプトカーを4車種、マツダも中国市場向けの新型2車種を公開した。

米ゼネラル・モーターズ(GM)は初めて従来型のエンジン車の展示を見送った。独メルセデス・ベンツもEVの新型モデルを公開した。

米テスラは今回も出展を見送った。同社が最後に中国のモーターショーに出展した2021年には、テスラ車の上に女性が登り、ブレーキが効かないと抗議する一幕があった。

欧米では中国の過剰生産能力に対する懸念が浮上しているが、一部の中国メーカーは海外展開の計画を説明。

長城汽車の穆峰総裁は「中国の自動車産業はグローバル化という新たな時代に突入しており、中国国内ブランドの力は強まっている。中国車が世界の舞台に上ることが新たな潮流になっている」と述べた。

<国内設計のADASをアピール>

中国国内で設計した先進運転支援システム(ADAS)もセールスポイントになっている。

賽力斯集団(セレス・グループ)や広州汽車集団など複数のメーカーは、華為技術(ファーウェイ)から供給を受けたシステムをアピール。

広州汽車はファーウェイのADASを搭載した主力モデルを来年1月に発売すると発表した。ファーウェイはADAS分野で国有自動車メーカー7社と提携している。

一方、BYDや小鵬汽車(シャオペン)は社内で開発した機能を売り込んだ。

BYDは自社開発のADASを搭載した大衆向けの「王朝」シリーズと「海洋」シリーズの改良モデル2車種を第2・四半期に発売すると発表。小鵬汽車もライバルを引き離すために「超高速」ペースで継続的にソフトウエアをアップグレードすると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

内外の諸課題に全力で取り組むことに専念=衆院解散問

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 5

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 6

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 7

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中