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日銀、金融政策の据え置き決定 長期金利の変動容認も維持

2018年09月19日(水)12時38分

 9月19日、日銀は18─19日に開いた金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和政策の現状維持を賛成多数で決定した。写真は都内で2014年1月撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 19日 ロイター] - 日銀は18─19日に開いた金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和政策の現状維持を賛成多数で決定した。前回の7月会合で決めた長期金利と上場投資信託(ETF)・REIT(不動産投資信託)の買い入れ額が状況によって変動しうるとの方針も維持した。

日銀は7月末の金融政策決定会合で、長期金利とETF・REITの買い入れ額の変動を容認する一方、当分の間、極めて低い長短金利水準を維持するとした新たなフォワードガイダンスを導入する措置を決めた。

今回の会合でも長短金利目標とETFなど資産買い入れの目標額を据え置き、長期金利は「経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうる」、ETFとREITは「市場の状況に応じて、買入れ額は上下に変動しうる」との方針を維持。

長期国債の買い入れ額についても、保有残高の年間増加額を「80兆円をめど」としつつ、「弾力的な買い入れ」を継続する。

また、前回会合で導入した「2019年10月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利の

水準を維持する」とした政策金利に関するフォワードガイダンスも維持。

2%の物価安定目標の実現を目指して「これが安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続する」ことをあらためて表明し、経済・物価・金融情勢を踏まえて「物価安定目標に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う」とした。

YCCとフォワードガイダンスに対しては、前回会合に続いて原田泰審議委員と片岡剛士審議委員が反対票を投じた。

景気は「緩やかに拡大している」とし、先行きも「緩やかな拡大を続けるとみられる」との判断を維持。

消費者物価(除く生鮮食品)については「ゼロ%台後半となっている」とし、先行きは需給ギャップがプラスの状態を続けることや、中長期的な予想物価上昇率が高まることなどによって「2%に向けて徐々に上昇率を高めていく」との見通しを据え置いた。

こうした認識に対して片岡委員は、消費者物価が先行き「2%に向けて上昇率を高めていく可能性は現時点で低い」として表記に反対した。

*内容を追加しました。

(梅川崇)

ロイター
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