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アングル:人民元、基準値算出方法を修正でも安定化は望み薄か

2018年01月13日(土)17時51分

 1月11日、中国人民銀行(中央銀行)はこのほど人民元の基準値算出方法を修正し、潜在的な投機筋に対して1年にわたって値上がりしてきた人民元はこの先下落する余地があるのだと警告した。昨年5月撮影(2018年 ロイター/Thomas White/Illustration)

[上海/香港 11日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)はこのほど人民元の基準値算出方法を修正し、潜在的な投機筋に対して1年にわたって値上がりしてきた人民元はこの先下落する余地があるのだと警告した。

人民銀は、昨年5月に導入したいわゆる「カウンターシクリカル(反景気循環)的な要素」の影響を最小限にとどめる方向に、基準値算出方法を見直した。カウンターシクリカル的要素は元売りを弱める目的で採用されたため、今回の措置によって目先は元に下押し圧力がかかり、中国の輸出競争力を向上させそうだ。実際、9日にこの決定が伝わると人民元は下落した。

しかし中国政府の目論見通りに人民元のボラティリティ抑制の特効薬になる公算は乏しい、というのがアナリストの見方だ。

中国当局は1ドル=6.5元を重要な節目とみなしており、この水準を挟んで数カ月続いてきた乱高下を何とか鎮めたいと考えているため、今後もさまざまな「相場調整策」が打ち出されるだろう。

コメルツ銀行のシニア新興国市場エコノミスト、Zhou Hao氏は「一方的な取引や一方的な予想が存在する際はいつでも、当局が何か行動を起こす傾向がある。この(6.5元という)水準で元高を食い止められないと、恐らく再び急騰に見舞われる」と述べた。

人民元が市場で高まった思惑によって上下どちらか一方に動き続ける事態は、混乱を伴う資金流出を避けながら外為市場の自由化を進めたい中国当局にとって、ずっと頭痛の種になってきた。

2016年には元安が止まらずに対ドルで約6.5%下落し、その対策として「カウンターシクリカル的要素」を含めた各種政策が動員された。ただ結局昨年は市場心理の変化などもあり、元はおよそ7%反発している。

そして昨年9月に6.5元の上値を試す動きが出てくると、人民銀は一部の元建て契約について準備金積み立て義務を撤廃し、何とか元安方向に押し戻した。

市場関係者の間では、人民銀による今回の基準値算出方法の修正は、中国政府がドル安などがもたらす貿易面のマイナスに悩まされた結果、打ち出されたとの観測も出ている。

米国の政策担当者は中国が為替相場を操作していると批判しているものの、中国商務省に近いある人物の話では、逆に中国政府はドル安に拍車がかかっていく状況に密かに不満を漏らしているという。

この人物は「中国はドルが下がり、円がそれほど大きく上昇しない局面では、自国に大きな圧力がかかると感じている。主要中銀には切り下げ競争はご法度という共通認識があるとはいえ、ドルは下がらずに上がるべきだ。誰も米国がもしかしたら為替を操作しているのではないかと口にしない」と述べた。

それでも人民元が大幅に下がる態勢にはなっていないかもしれない。BNPパリバ・アセット・マネジメントのシニアエコノミスト、Chi Lo氏は顧客向けノートに「資本フローの動きは元安ではなく、元高を後押している」と指摘した。

みずほ銀行(香港)のシニア・アジアFXストラテジスト、Ken Cheung氏は、少なくとも今年前半の相場は6.5─6.7元で推移すると予想している。

(John Ruwitch、Marius Zaharia記者)

ロイター
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