最新記事

北京五輪

【映像】北京五輪、生放送中のオランダ人記者が「警備員」に連行される

2022年2月7日(月)19時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
困惑するアナウンサーと連れ去られる記者

困惑するアナウンサー(左)と連れ去られる記者 Guardian Sport-YouTube

<「この出来事は特例ではない」と記者は疑う>

欧州メディアの特派員が北京冬季五輪の取材中、「警備ボランティア」によって妨害・連行される映像が物議を醸している。

4日夜、オランダの公共放送局NOSのショード・デン・ダース記者は開会式の行われた国家体育場(通称「鳥の巣」)付近でカメラを前にレポートしていたところだった。

スタジオからコメントを求められたちょうどその瞬間、赤い腕章をした男が現れ、デン・ダースとカメラの間に割り込んできた。生放送中にもかかわらず、男は大きな声で移動するよう威圧し、事情を説明しようとする記者を力ずくで連行していく。強引に連れて行かれる記者を撮影していたカメラマンのもとにも別の警備関係者が近づき、中継は中断。困惑した様子を隠せないスタジオのアナウンサーへと引き継がれた。

NOSのツイッター公式アカウントが映像を公開すると、(7日時点で)100万回以上の再生を記録。

数分後、別の場所に移動した記者らは無事に放送を再開。デン・ダースは翌日、自身のツイッターアカウントでこの事件と北京の取材環境について語っている。

「ここ数週間、私たちも外国の同業者らと同じように、大会に関するテーマを報道していて何度か警察から妨害されたり止められたりした」

今大会では、選手やメディア関係者の行動範囲は競技会場やメディアセンター、宿泊施設のある「クローズド・ループ」内に制限されている。

メディア関係者の間では、大会期間中の中国で自由に仕事ができるのかと懸念が広がっている。この件について、国際オリンピック委員会(IOC)の広報部長マーク・アダムスは「一回限りのこと」と釈明した。

デン・ダースは「この事件を孤立した出来事と考えるのは難しい」と見解を示している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国自動車輸出、4月は過去最高 国内販売は減少に減

ワールド

UNRWA本部、イスラエル住民の放火で閉鎖 事務局

ワールド

Xは豪州の法律無視できず、刃物事件動画訴訟で規制当

ビジネス

ドイツ住宅建設業者、半数が受注不足 値下げの動きも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 2

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必要な「プライベートジェット三昧」に非難の嵐

  • 3

    「少なくとも10年の禁固刑は覚悟すべき」「大谷はカネを取り戻せない」――水原一平の罪状認否を前に米大学教授が厳しい予測

  • 4

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽…

  • 5

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 6

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 7

    上半身裸の女性バックダンサーと「がっつりキス」...…

  • 8

    ロシア軍兵舎の不条理大量殺人、士気低下の果ての狂気

  • 9

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 10

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中