コラム

祭りの日に、プーチンは死ぬ

2023年03月27日(月)18時35分
プーチン

ILLUSTRATION BY AYAKO OCHI FOR NEWSWEEK JAPAN

<ロシアによるウクライナ侵攻から1年以上がたった。まさに戦時下。プーチンはきっと、自分が死ぬ日を知りたいと考えているにちがいない>

【占い】

自分の将来に不安を感じたロシアのプーチン大統領が、モスクワで人気の占い師をクレムリンに呼んだ。プーチンは占い師にこう聞いた。

「私がいつ死ぬか分かるか?」

自分の死ぬ日が分かれば、その日には外出を控えたり、面会を取りやめたりするなど、対策を立てられると考えたのである。

占い師はこう答えた。

「あなたはウクライナで最大の祭りの日に亡くなるでしょう」

それを聞いたプーチンはすぐに側近を呼び、ウクライナ最大の祭りがいつなのか調査するよう命じた。しかし、いくら調べても、どの日がウクライナ最大の祭りなのか、よく分からない。

困ったプーチンは再び占い師を呼んで聞いた。

「おまえの言うウクライナ最大の祭りとは一体いつのことなんだ?」

すると占い師が答えた。

「あなたの亡くなった日が、ウクライナ最大の祭りになるのです」

◇ ◇ ◇


ロシアがウクライナに侵攻してから1年以上がたった。めでたくない1周年である。

欧米諸国は最新式の主力戦車を含むウクライナ軍事支援の手を広げている。そんな中、日本人も「レオパルト」や「エイブラムス」など、欧米の戦車の名称について、にわかに詳しくなった。社会はじわじわと変化を遂げている。

2月には、ロシア軍が黒海から発射した巡航ミサイルが、ルーマニアの領空を通過したとウクライナ軍が発表した。ルーマニアはウクライナと国境を接しているが、NATOのれっきとした加盟国。ルーマニア政府はミサイル通過を否定したが、真相は情報戦という深い霧の中に紛れ込んだままである。

私はかつてルーマニアに住んでいたことがある。ミサイル通過の報を知った私は、すぐに同国のネットニュースを確認しつつ、友人らにメールした。私の愛する「第二の故郷」は、まさに「戦時下」の様相であった。

しかし、とある友人からの返信には次のような言葉があった。

プロフィール
今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ノババックス、サノフィとコロナワクチンのライセンス

ビジネス

中国高級EVのジーカー、米上場初日は約35%急騰

ワールド

トランプ氏、ヘイリー氏を副大統領候補に検討との報道

ビジネス

米石油・ガス掘削リグ稼働数、3週連続減少=ベーカー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    横から見れば裸...英歌手のメットガラ衣装に「カーテ…

  • 7

    ウクライナの水上攻撃ドローン「マグラV5」がロシア…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story