最新記事

韓国

流行りものに弱い韓国に「ハロウィン」文化は根付いたか?

2019年10月25日(金)19時35分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネーター)

#MeTooと結びついた批判も

また、MeToo運動が日本よりも盛んな韓国では、看護師などの医療関係者が利用する掲示板サイトにアップされた「セクシーすぎるハロウィン用看護師衣装が理解できない。医療人としての権威を落とすようなことはしないで。」という看護学生の女性からの投稿が注目されている。確かに、ミニスカートの看護師衣装はコスプレの定番となっている。しかし、看護師としての仕事に憧れ、いつかその制服を着るために毎日一生懸命学んでいる看護学生からすれば、目指しているゴールが性の対象のような扱いを受けているのを見ると怒りが込み上げてくるのも理解できる。

このように、様々な問題が起こってはいるが、渋谷の交差点で団体になって大騒ぎし、それが一部で暴走するような日本のハロウィン問題とは違い、韓国ではまだ個人レベルでの問題が報道される程度ですんでいるようだ。

外国文化を理解するためにも、取り込んで一緒に楽しむ事は、これからの時代増えていくだろう。日本は、外国の物の良い部分を上手に取り入れ、自国の文化とアレンジするのに優れた民族だ。しかし、近年のハロウィンはいかがなものだろう。逆に、その文化を悪用するかのような取り入れ方をしているようにしか見えない。アニメなどのキャラクターコスプレの得意な日本で、その特技が生かされる「ハロウィン」という文化が根付きつつあるのだから、元祖に敬意を払いつつ、一部の人達の暴走でせっかくのハロウィン文化が嫌われてしまうことだけは避けたいものだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米・イランが間接協議、域内情勢のエスカレーション回

ワールド

ベトナム共産党、国家主席にラム公安相指名 国会議長

ワールド

サウジ皇太子と米大統領補佐官、二国間協定やガザ問題

ワールド

ジョージア「スパイ法案」、大統領が拒否権発動
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 7

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 8

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 9

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 8

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中