最新記事

災害

津波で200人以上死亡、原因は火山活動? 最後まで大災害が続いた2018年のインドネシア

2018年12月23日(日)17時40分
大塚智彦(PanAsiaNews)


津波に襲われた直後、そして翌朝の現地のようす Channel NewsAsia / YouTube

大災害が続いた2018年のインドネシア

インドネシアでは2018年は地震、津波、火山噴火と自然災害が続く受難の1年となった。

9月28日にはスラウェシ島中スラウェシ州のパル、ドンガラ地区でマグニチュード7.5規模の地震が発生、最大高さ11メートルの津波が押し寄せて約2000人が犠牲になり、いまだに多数が行方不明となっている。バル・ドンガラ地域での地震では大規模な液状化現象による泥流が発生し、その結果多くの犠牲者、行方不明者がでたといわれている。

7月29日には世界的な観光地バリ島の東隣のロンボク島北部でマグニチュード6.9の地震が発生、500人以上が死亡し、現在も多くの住民が避難生活を続けている。

このほかバリ島でも6月28日にアグン山が噴火、国際空港が一時閉鎖され観光客3万人に影響がでた。

スマトラ島西スマトラ島のシナブン山、スラウェシ島北部のソプタン山も噴火するなど、今年のインドネシアは火山活動が活発化した1年だった。

日本と同様に火山列島であるインドネシアには130の火山があり、そのうち14が活火山とされ、周辺地域に噴煙や噴石などの被害を与えている。

その度にインドネシア政府はBNPBをはじめ、軍や警察を動員して行方不明者の捜索と被災者の救援に全力を挙げるよう指示、緊急対応に追われた。

2019年4月に大統領選挙を控えるインドネシアではこうした相次ぐ自然災害への緊急対応、被災者支援へのジョコ・ウィドド大統領による素早く、手厚い対応が注目されているが、地震予知や津波警報などの防災面での整備と拡充が今後はさらに求められている。

20240521issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年5月21日号(5月14日発売)は「インドのヒント」特集。[モディ首相独占取材]矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディの言葉にあり

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米・イランが間接協議、域内情勢のエスカレーション回

ワールド

ベトナム共産党、国家主席にラム公安相指名 国会議長

ワールド

サウジ皇太子と米大統領補佐官、二国間協定やガザ問題

ワールド

ジョージア「スパイ法案」、大統領が拒否権発動
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 3

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの過激衣装にネット騒然

  • 4

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 5

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 6

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 7

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 8

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 9

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 10

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中