最新記事

SNS

全米2万人が毒舌を吐く「結婚式さらしコミュニティー」

The Wedding Shamers

2018年11月14日(水)18時10分
レイチェル・ウィザーズ

多くの花嫁には「一生に一度だけ主役になれる場」だが Rubberball/Mike Kemp-Brand X Pictures/GETTY IMAGES

<結婚式をめぐる怒りと愚痴とドロドロ話が溢れる「結婚式さらし」コミュニティーの素顔とは>

結婚式は愛し合う2人が結ばれる神聖な儀式。でも誰もが興味を持つのは、そこで起きる人間くさいドラマの数々だ。

例えば今年8月、ある女性が結婚式を4日前にドタキャンして、家族や友人と絶縁したとフェイスブックに投稿した。「クズどもは私の結婚と人生を台無しにした」

「クズども」は何をしたかって? 彼女が計画した夢のウエディングの費用6万ドルの支払いを拒否しただけだ。1人当たりの負担は1500ドル。彼女に言わせれば「世間の相場からみて、それほど大した額じゃない」。

親族の1人がこの投稿のスクリーンショットを「結婚式さらしコミュニティー」でシェア。そこからさらに誰かがツイッターに投稿し、ツイッターの女王でモデルのクリッシー・テイゲンが面白がってリツイート。ネット上で大々的に拡散する騒ぎになった。

テイゲンの名誉のために言っておけば、スクリーンショットを投稿した人物は身内の個人情報が漏れることに無頓着だったが、テイゲンはそこに配慮してぼかしをかけた(それでも結局、女性の個人情報はネット上でダダ漏れになったが)。

この一件で多くの人が結婚式さらしコミュニティーなるものを知ることになった。それはどんなコミュニティーなのか、どうやったら参加できるのか。

結婚式さらしは、フェイスブック上に数あるさらしコミュニティーの1つにすぎない。さらしのターゲットはいろいろある。他人がはめている悪趣味な指輪、おバカなクリスマスパーティー等々。なかでも結婚式は一番盛り上がるネタだ。

代表的な結婚式さらしコミュニティーの会員は2万人を超え、それ以外にも分派や二番煎じグループがある。ちなみにフェイスブック上の結婚式と指輪さらしの最大のコミュニティーのアカウントは現在では削除されたか、非公開になっている。それでも、その他の結婚式さらしコミュニティーのサイトは探せば簡単に見つかる。

悪気のない無害な意地悪フェイスブックのコミュニティーに入るには、いくつかの質問に答えて、規則の遵守に同意しなければならないが、関門はさほど厳重ではない。

なぜドロドロ話で盛り上がるコミュニティーが次々に生まれているのか。独占欲の強い花婿の母、ビーチサンダル姿で式場に現れる花婿など、世の中の結婚式にはトラブルが山ほどあるからだ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 8

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 9

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中