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FUJIFILM×マグナム・フォト共同プロジェクト「HOME」

【写真特集】写真家たちが映し出した自分自身の「ホーム」

2018年7月18日(水)19時30分
Magnum Photographers

<Photographs by Moises Saman>

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リマ近郊にある親戚の家のリビングに飾られているいとこパティの写真。彼女は10年以上前に故郷を離れ、アメリカで働いている

私にとってHOMEは、分かりにくい概念だった。私はペルー人とカタルーニャ人の両親の下、ペルーの首都リマで生まれ、すぐにスペインに移住した。

バルセロナ郊外で過ごした10代前半までは、家庭にも学校にも合わせられず、ペルー人としてのルーツにも興味がなかった。さらに、両親の不仲が私を変えてしまった。私は17歳でスペインを去り、アメリカでHOMEのような所を見つけた。それから多くの場所を転々としながら、出身地のことは自分の胸にしまい込んでいた。

写真に出合ったのはその頃だ。写真のおかげで私の目は開き、広い世界と交わることができたが、それは究極の逃避でもあった。周りは似た境遇の友人ばかりで、世界中を旅して道端を住みかにしてきた。HOMEは私の最後の目的地であり、仲間たちが家族だった。

数年前、私は今の妻と出会って一緒にHOMEを探し始めた。これまでにバルセロナと東京、ニューヨークに住まいを持った。それでもやはり、私にとってHOMEは生まれた国ペルーだと思う。この国のことはほとんど知らないが、いつかはそこにHOMEを見つけたい。

──モイセス・サマン

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ペルー中部フニン州の市場でオレンジを売る女性

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スペインからの独立戦争の中で起きた1824年の「フニンの戦い」を記念する壁画

Photographs by Magnum Photos

<本誌2018年7月24日号掲載>

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