最新記事

アメリカ政治

オバマケア改廃また頓挫の可能性 米上院共和党内で反対広がる

2017年9月25日(月)12時26分

9月22日、米上院共和党内では、新たな医療保険制度改革(オバマケア)改廃法案に反対する動きが広がった。テッド・クルーズ議員(写真中央)が反対する考えを示したほか、スーザン・コリンズ氏も同法案を強く批判した。写真はワシントンで6月撮影(2017年 ロイター/Joshua Roberts)

米上院共和党内では24日、新たな医療保険制度改革(オバマケア)改廃法案に反対する動きが広がった。テッド・クルーズ議員が反対する考えを示したほか、スーザン・コリンズ氏も同法案を強く批判した。

同党のグラム、カシディ両議員がまとめた新たな法案については、上院共和党のジョン・マケイン、ランド・ポール両議員が前週に反対票を投じると表明。上院(定数100)で52議席を占める共和党内の造反者があと1人増えれば、改廃の取り組みが頓挫し、トランプ大統領への打撃となることは必至だ。

マコネル上院院内総務はこれまで、今週採決を行いたいと述べているが、ここ数日は発言を控えている。

ムニューシン財務長官はCNNテレビの番組で「採決の結果は僅差になるだろう。通過を望んでいる」と述べた。

クルーズ議員の広報担当者によると、同議員はテキサス州でのイベントで「現時点で私は賛成票を投じないつもりだ。マイク・リー(上院議員)の票もないだろう」と述べた。

リー氏の広報担当者は電子メールで、同議員が「技術的な一部修正」を求めていると説明したが、「まだ立場は明確にしていない」とした。

コリンズ氏はCNNの番組で「この法案に賛成票を投じると想定することは非常に難しい」と述べた。

7月にオバマケアの一部を廃止する法案が採決にかけられた際、コリンズ氏はマケイン氏とリサ・マーカウスキー議員とともに反対票を投じ、同法案は否決された。

共和党の重鎮であるマケイン氏が新たなオバマケア改廃法案に反対すると表明したことを受け、22日の米株式市場では医療保険銘柄が上昇した。

トランプ大統領は共和党に対し、オバマケア改廃法案の可決を急ぐよう圧力をかけてきた。

[ワシントン 24日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インフレ率、FRBが望む水準に達せず=米リッチモン

ビジネス

米一戸建て住宅着工件数、4月0.4%減 住宅ローン

ワールド

ゼレンスキー氏、ハリコフ州視察 「極めて困難だが制

ビジネス

米ダウ、一時初の4万ドル突破 好決算や利下げ観測で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇跡とは程遠い偉業

  • 3

    アメリカはどうでもよい...弾薬の供与停止も「進撃のイスラエル」は止まらない

  • 4

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 5

    半分しか当たらない北朝鮮ミサイル、ロシアに供与と…

  • 6

    総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長…

  • 7

    2023年の北半球、過去2000年で最も暑い夏──温暖化が…

  • 8

    共同親権法制を実施するうえでの2つの留意点

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    仰向けで微動だにせず...食事にありつきたい「演技派…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中