最新記事

韓国

韓国検察、朴前大統領の逮捕状を請求 有罪なら懲役45年も

2017年3月27日(月)22時44分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

さらに検察側は、チェ容疑者など今回の一連の疑惑の関連者らがすでに逮捕された状態にあるなか、共犯ないしは総責任者の地位で見られるパク前大統領を在宅起訴で捜査することは、公平性を欠くという問題も考慮したという。

特に、パク元大統領に430億ウォンの賄賂を供与した疑いでイ副会長が逮捕されているなか、賄賂供与者に比べ相対的に重く処罰されるべき収賄者のパク前大統領については、逮捕状を請求以外ないと判断したという。

【参考記事】韓国特検サムスンのトップを逮捕 朴大統領の疑惑追及は来週山場へ

検察は共謀関係にある関係者の調査内容に加え、パク前大統領の指示事項がぎっしりと記録された安鍾範(アン・ジョンボム)元大統領府政策調整首席の業務手帳など証拠をもとに、パク前大統領の疑いが立証可能と判断したものとみられる。

史上3人目の逮捕状請求された元大統領

検察が元大統領の逮捕状を請求したのは、全斗煥(チョン・ドファン)、盧泰愚(ノ・テウ)元大統領に続き、パク前大統領が3人目だ。ノ・ムヒョン前大統領は、当時最高検察庁中央捜査部に召喚され調査を受けたが、自ら命を絶ったため逮捕状が請求されなかった。

チョン・ドファン、ノ・テウ元大統領は当時逮捕状実質審査制度が導入される前だったため、書類審査のみで逮捕状が発行された。逮捕状実質審査は、逮捕状を請求された裁判官が被疑者を直接尋問して拘束するかどうかを決定する制度で、1997年に導入された。これまで逮捕された元大統領は、新政権発足後に逮捕されているが、パク元大統領は自身が任命した検察総長に逮捕状を請求された最初の元大統領という不名誉を受けることになった。

パク元大統領は30日午前にソウル中央地裁で逮捕状の実質審査を受ける予定だ。基本的には被疑者が必ず出廷しなければいけないが、欠席理由書を提出して欠席することもできる。この場合は書面で審査が行われる。仮に出席した場合、弁護人の立ち会いの下で尋問を受けるが、先に特別検察チームがイ・ジェヨン容疑者に対し逮捕状を取ったときには尋問に7時間半かかった。パク元大統領の場合は多岐にわたる容疑を否認していることからさらに長時間になると見られている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 4

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、…

  • 5

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 9

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 10

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中