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親の過干渉が子どもの幸福感を下げる

2020年09月15日(火)18時10分
船津徹

干渉が多い親に育てられた子どもほど感情のコントロールが苦手な傾向にある Prostock-Studio-iStock

<過干渉を受けて育つと、大人になってからプレッシャーにうまく対応する力を失うという報告もあります。気づかないうちに子どもの自主性や個性を潰してしまわないよう気をつけたいこと、そして子どものやる気を育てるヒントを紹介します。>

国連児童基金(ユニセフ)は9月3日、先進・新興国38カ国に住む子どもの幸福度を調査した報告書を公表しました。この調査では体の健康、精神的な幸福度、学問の3分野で順位をつけており、日本は「身体的健康」で1位であった一方、学問などの能力をはかる「スキル」は27位。そして「精神的幸福度」は37位でした。

学歴信仰家庭に多い「過干渉」子育て

私は、日本、アメリカ、中国で学習塾を経営しています。世界中の親子を見てきましたが、日本の子どもの「精神的幸福度」が低い原因として「過干渉」が一番大きいのではないかと考えています。

過干渉というのは子どもを親の思い通りに育てようと、手出し・口出し・監視して行動をコントロールする行為です。過干渉は日本だけでなく韓国や中国など「学歴信仰」が強い社会(あるいは家庭)に多く見られます。

韓国は「子どもを良い大学に入れなければならない!」というプレッシャーが桁外れに強い超学歴社会です。親の期待に答えるために青春の全てを勉強に捧げてきた子どもが大学進学と同時にやる気を失い休学や退学してしまう「燃え尽き症候群」が問題となっています。

一人っ子政策(1979-2015)が行われていた中国では「我が子を成功させなければならない!」と、一人の子どもの面倒を両親(二人)と祖父母(四人)の合計六人がみる「手をかけ過ぎる子育て」が問題視されています。過剰な期待を背負わされた子どもがストレスから精神を病んでしまうケースが増加しています。

アメリカでも大学入学の難易度の上昇に伴って「ヘリコプターペアレント/子どもの行動を四六時中監視する親」が増えています。

ミネソタ大学のニコール・ペリー博士が422人の子どもを8年間にわたり追跡調査したところ、干渉が多い親に育てられた子どもほど感情のコントロールが苦手で社会性の発達が低く、学習面で苦労する傾向があることが分かっています。

メアリーワシントン大学が行った研究では、過干渉な親の下で育った子どもは自信を失いやすく、生活に不満を抱き、イライラしがちになることが分かっています。同研究は『過干渉は子どもの能力や独立心の発展を妨げるだけでなく、子供の幸福感を奪い、大人になってからプレッシャーにうまく対応する力を失わせる』と結論づけています。

子どもは親の所有物ではない

「自分は過干渉ではない!」と思っていても、気づかないうちに子どもの自主性や個性を潰している親が多くいます。過干渉な親に共通するのが子どもを自分の所有物のように扱うことです。

親の好みの洋服を選び、親の好みの髪型にして、親の好みの靴を履かせて、親の好みの帽子をかぶせます。まるで着せ替え人形のようです。子どもの外見を親の理想通りにするのは楽しいことです。しかしもう少し子どもの好みや個性を尊重しなければ、子どもは自分の意思で行動しようという意欲を失ってしまいます。

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