最新記事

ツイッター

ツイッターの青バッジはフェイクのしるし? コメントを求めたが、広報は「うんこ」絵文字で応答するのみ

VERIFIED MISINFORMATION

2023年4月26日(水)13時10分
ジャック・ブリュースター(ニューズガード エンタープライズエディター)、ザック・フィッシュマン(同シニアアナリスト)、マクリーナ・ワン(同アナリスト)、バレリー・パビロニス(同アナリスト)

230502p52_TWT_02.jpg

保守派コメンテーターのオハンドリーはツイッターでトランプ寄りの主張を展開 JOE RAEDLE/GETTY IMAGES

マスクが打ち出したツイッターブルーは、個人ユーザーは月額8ドル、事業主は月額1000ドルを払えば、アカウントの横に青い認証バッジ(事業主は金色)を表示できるというもの。マスクが買収する前、アカウントの認証は「信頼性、著名人、アクティブであること」に基づいて行われ、ツイッターは4月1日からこれを「レガシー認証」と呼ぶようになった。さらに4月20日には、レガシー認証バッジを削除した。

偽情報やデマも上位に表示

一方で、ツイッターブルー取得者の投稿は優先的に上位に表示されている。表示の優先順位の仕組みについての詳細は、マスクがCEOに就任した後はほぼ謎に包まれてきた。だがツイッターのソースコード(一部は3月31日に公表)を見た専門家からは、ツイッターブルー取得者による投稿のエンゲージメントが大幅にアップしているとの指摘がある。

ツイッターは、ツイッターブルー取得者の投稿を検索結果の上位に表示するサービスも開始するとしている。月に8ドルを払っていれば、偽情報やデマを拡散しているユーザーの投稿でも優先的に表示されるわけだ。

マスクは認証システムを徹底的に見直した理由の1つに、偽情報を投稿したり広めたりする「ボットと荒らし」の一掃を挙げている。ツイッターブルーの認証を受けられるのは、電話番号を登録するなどの要件を満たし、ツイートなどの活動が一定以上認められ、成り済ましやスパム(ネット上の迷惑行為)をしていないアカウントに限られる。

ニューヨーク・タイムズなどの企業は、既にこのサービスに料金を払わないと表明している。一方で私たちが確認したところ、以前は認証を受けていなかった悪名高い偽情報発信アカウントがツイッターブルーを取得している。

ニューズガードはこの問題についてツイッターにコメントを求めたが、広報のアカウントは「うんこ」の絵文字で自動応答するだけだった。マスクの就任後に広報チームは大半が解雇されたとみられており、今ではこの回答スタイルが普通になった。

一部のユーザーが新しい認証システムを悪用してどれだけ偽情報を流しているかを調べるため、私たちは前述の25アカウント(フォロワー数は5万4100~150万人)を分析した。するとそのうち10アカウントはかつて凍結されていたが、マスクが買収した後に復活していた。10アカウントのうち少なくとも5つの凍結理由は、偽情報の投稿だった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルの格付け据え置き、見通しネガティブ=ムー

ビジネス

韓国、不動産部門の再編加速へ 事業の収益性やリスク

ビジネス

暗号資産団体がPAC発足、米連邦議会選の候補支援 

ビジネス

米フォード、2027年にスペインで新型EVの生産開
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 5

    横から見れば裸...英歌手のメットガラ衣装に「カーテ…

  • 6

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    アメリカでなぜか人気急上昇中のメーガン妃...「ネト…

  • 9

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子…

  • 10

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中