最新記事
ビジネス

優秀な人にばかり「仕事が集中」してしまう...この難問は「仕事の任せ方」で解決できた!

2024年3月19日(火)19時28分
flier編集部

また、身近な後輩たちからは意外な反応がありました。

本書で上手な断り方として紹介している「スピーディーに返信する」と「魔法の言葉 “またお声がけください” 」を気に入ってくれたようです。後輩たちに何かを頼むと即座に「またお声がけください」と返信がくるようになりました(笑)。

1on1で本音を引き出す「三談論法の法則」

──本書で提示されていた「本書を読めば(任せることは)必ずできるようになります。ただ任すだけでなく、相手を成長させて感謝される任せ方ができるようになります」というメッセージが印象的でした。

本書の副題は「自分も相手もラクになる正しい “丸投げ” 」ですが、ただ丸投げするだけだと、ブラックな上司になってしまいます。そうではなくて「相手のためになる丸投げをしよう」というのが、本書のメインメッセージです。

細かいポイントはさまざま書いていますが、任せる上でもっとも重要なのは「メンバーと真摯に向き合い、見返りを求めず与える」ということ。相手をしっかり思いやることが何より大切なのです。

もちろん、最初から相手のためだけを思って依頼しなければならないわけではありません。「あまりにも忙しいから、誰かに任せたい」から始めてもいいでしょう。でも、実行するときには「どう相手の役に立つのか」「相手に十分なキャパシティはあるか」を考えたいものです。

──本書では、頼み方の大前提として、意欲創出・目的の明確化・欲求充足・選択肢の提示・負担の配慮の5つを挙げていらっしゃいました。意欲創出(相手がやりたいと思える文脈になっているか)と「欲求充足」(利己的都合ではなく相手にメリットがあるか)は、相手のことを深く理解する必要があり、特に難しそうに思えます。

相手にうまく任せるためには、普段からコミュニケーションを取って「相手のやりたいこと」や「本人は気づいていないけれど他の人より得意なこと」を見つけておきたいものです。この2つにフィットする仕事を任せられれば、本人にとってステップアップのきっかけになりますし、成果もより良いものとなるでしょう。

ここでポイントになるのは傾聴力です。相手を知るために、とにかく聞いて、聞いて、聞くこと。徹底的に聞き手にまわり、人となりを把握するのです。

もっとも有効なのは1on1(1対1で行う面談)でしょう。1on1では、重要度が高くて緊急度が低い話、つまり「この先どんな仕事がしたいか」「2~3年後どうなりたいか」「長期の目標は?」「業務上の悩みや不安」などを引き出します。

ただ、いきなりこの領域を聞き出すのはハードルが高いので、「好きな食べ物は?」「休日の過ごし方は?」「一番安らぐときは?」などと答えやすい質問からはじめて、徐々に核心に近づいていくことをおすすめします。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

金融デジタル化、新たなリスクの源に バーゼル委員会

ワールド

中ロ首脳会談、対米で結束 包括的戦略パートナー深化

ワールド

漁師に支援物資供給、フィリピン民間船団 南シナ海の

ビジネス

米、両面型太陽光パネル輸入関税免除を終了 国内産業
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 3

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 4

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇…

  • 5

    マーク・ザッカーバーグ氏インタビュー「なぜAIを無…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    それでもインドは中国に勝てない...国内企業の投資意…

  • 8

    総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長…

  • 9

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 10

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中