最新記事

コミュニケーション

ロジックよりも興味を持たれ、相手に届く 「ストーリーで伝える」という手法

2022年2月26日(土)19時36分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

──日常のできごとというと「今日〇〇食べた」「××に行った」みたいなものがほとんどですよね。あとは心のモヤモヤを吐き出すとか。「仕事行きたくない」とか、「うざい」とか。

ですね(笑)。でも、何者でもない私が、ひと言「うざい」ってツイートしたところで、きっと皆さん「で、何?」って思いますよね。ツイッターの使い方は人それぞれです。ストレス発散でも、友達とのコミュニケーションに使うのでも楽しめたらいいですよね。

ただ、私の場合は文章力を高めたい一心で。そのためにはやはり、「うざい」のひと言だけではだめで、ちゃんと文章を書かないとですよね。「何を伝えたいのか」と、「どう書けば伝わるか」の2つをしっかり考えなくてはなりません。読んでくれる人の時間を無駄に費やさず、せっかくなら楽しんでもらえると嬉しいですし。

私は自分のツイートを作品のように考えています。時間をかけて何度も推敲し、自分が納得できるツイートを作り上げて投稿しているからです。

──近藤康太郎さんの『三行で撃つ〈善く、生きる〉ための文章塾』(CCCメディアハウス)を読んで、ツイートにも活かせると感じたそうですね。どこに惹かれましたか。

「最初の一文、長くても三行くらいでしょうか。そこで心を撃たないと、浮気な読者は逃げていく。続きなど読んでくれない」って、いきなり書いてあったんです。ツイッターだって同じですよね。大量のツイートが流れるなかで、目を止めてもらわないといけないから。

「あっきゃんのつぶやきは面白い」と言われるようになり、もっと文章がうまくなりたくて、文章術の本を読み始めました。たくさん読むうちに、「文章は一文を短く」とか、「接続詞は少なく」といった技術は、どの本も似たところに落ち着くのだと気が付きました。そんななかで『三行で撃つ』は全然違っていて。書く人にとっての考え方や、技術にとどまらない「生きる姿勢」について書いてあったからです。

私も、メソッドは結局使う人次第だと思っています。小手先の技術だけ身につけても、内容が伴わないとつまらないですよね。そのためにも豊かに生きたいと思っています。この本との出会いがなかったら、自分が本を出すことにはならなかったので、感謝しています。

本を読むより、パソコンや自然が好きだった

──学生時代、国語が苦手だったと伺いました。「書く」という行為に対して、苦手意識からのコンプレックスはありましたか?

そもそも、書くことに挑戦したことがなかったんです。国語が苦手だから「自分は書けない」って強く思い込んでいました。みんながSNSを使うようになっても、自分からは何かを発信したことがありませんでした。

いまは本を読むことが好きですが、10代の頃は全くでしたし。小学生の時なんて、友達は漫画を読んだりしていたけど、私は漫画の読み方もよくわからないほどでした。みんなが盛り上がっていても、話にもついていけないような子でした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=上昇、ナスダック最高値 CPIに注目

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、PPIはインフレ高止まりを

ビジネス

米アマゾンの稼ぎ頭AWSトップが退任へ

ビジネス

ソニー、米パラマウント買収を「再考」か=報道
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プーチンの危険なハルキウ攻勢

  • 4

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 7

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 8

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 9

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 10

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中