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米司法省の「アジア系差別」是正勧告で、日本人はハーバードに入りやすくなるのか?
ハーバードがアジア系の合格者を少なくしているという訴訟が起こされているが Jessica Rinaldi-REUTERS
<ハーバードがアジア系を優遇しようが不利に扱おうが、日本人にとってはあまり関係がない>
2018年8月30日に、司法省は「関心のステートメント」という文書を発表して、ハーバード大学がアジア系の合格者を「少なく」しているのは「是正すべき」という判断を示しました。
このニュースですが、具体的には一部のアジア系の学生がハーバードに対して「アジア系が差別されている」として提訴をしている「民事訴訟」に関するものです。アメリカの司法省というのは、検察機能と司法行政を持つ役所で、日本の法務省に似た機能を持っています。ですから民事訴訟に介入することはできません。
そんな中で、今回このような文書が出たというのは、法律の解釈、あるいは教育行政など行政権の行使をサポートする立場から「意見」を述べたという位置づけです。それ以上でも以下でもありませんが、政府の方針としてハッキリと示されたのは間違いありません。
白人至上主義の支持者を抱えるトランプ政権がアジア系を擁護したというのは、一見すると奇異に見えます。その背景には2つの問題があると思われます。
1つは「アファーマティブ・アクション」つまりマイノリティへの優遇という考え方を否定したいという姿勢です。アジア系とは反対に、仮にアフリカ系やヒスパニック系などの優遇がされているのであれば、それを止めさせたい、そのような意図が回り回って、今回の「意見」の背後にはあると見ることができます。
もう1つは、成績だけでなく全人格的な評価をするとなると、その場合は、大学のカルチャーを反映してリベラルな人物が優遇される、もしかしたら司法省はそこを否定したいのかもしれません。アジア系が不利とされた背景には、ハーバードが何よりも大切にする「授業における議論への貢献」という資質が厳しく問われたことが推察されますが、そうした知的でリベラルな校風を批判するメッセージを意味するとも考えられます。
では、こうした動きについて、ハーバードを目指す日本人の学生には、どのような影響があるのか、考えてみたいと思います。
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