最新記事
シリーズ日本再発見

コロナだけじゃない、「二重苦」と戦う日本の飲食業界

2020年05月15日(金)16時18分
高野智宏

「もちろん、禁煙席を設けたりと、時代と共に対応してきました。しかし、やはりコーヒーとたばこは親和性が高く、また当店を喫煙できるカフェと認識していただいているお客様も多いことから、喫煙目的室へと申請し、許可をいただきました」と、服部氏は語る。

実際、喫煙者の常連客も多かったのだろう。法施行後も引き続き喫煙が可能となったことに対し、同社には「感謝している」というメールが届いたという。「それほど喫煙できるカフェや飲食店が少なくなってきているのだと思います。コロナ騒動がなければ、この新宿南口店の4月以降の売り上げは、10%程度の上昇を想定していました」

とはいえ、こうした「逆転現象」により売り上げ増を見込めた店舗ばかりではないだろう。それに何といってもコロナショックの影響があまりに大きい。

現在、昼のオフィス街からは人通りが減り、夜の繁華街はまるでゴーストタウンのような状態が続いている。飲食店向けの予約・顧客管理システムを運営するテーブルチェックによると、3月の平均予約件数は前年同月比で4割減少したという。飲食店の8割で売り上げが減ったという統計もある。

確かに、受動喫煙防止は時代の流れではある。しかし日本の飲食店は今、改正健康増進法の影響に加え、未曽有のコロナショックにも直撃された二重苦の状態だ。日本の飲食業界はこれからどうなるのだろうか。

japan_banner500-season2.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

豪政府のガス開発戦略、業界団体が歓迎 国内供給不足

ビジネス

日経平均は反落、朝高後軟調 3万9000円再び下回

ビジネス

午後3時のドルは156円台でじり高、1週間ぶり高値

ワールド

台湾総統就任式、中国が日本議員出席に抗議 「協調精
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 4

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    9年前と今で何も変わらない...ゼンデイヤの「卒アル…

  • 7

    ベトナム「植民地解放」70年を鮮やかな民族衣装で祝…

  • 8

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 9

    服着てる? ブルックス・ネイダーの「ほぼ丸見え」ネ…

  • 10

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 5

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 8

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 9

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 10

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中