コラム

次のイギリス総選挙で政権奪還は確実か...労働党の「鉄の財務相」が打ち出す「成長の3本柱」に注目が

2024年03月21日(木)18時10分

「解決策は広範なサプライサイド改革だ」

「1970年代の終わりと同様、英国は変曲点に立っている。解決策は広範なサプライサイド改革だ。投資を促進し、生産能力を制約する障壁を取り除き、経済思想の進化を踏まえた新たな経済的解決策を構築する」と計画・公共サービス・労働市場・政府の改革を唱えた。

97年、ブレア労働党政権は成長を重視する企業・成長ユニットを財務省に設けた。リーブス氏は成長を予算に組み込むため、同ユニットを改革する官僚機構の強化策を打ち出す。財務省に英国の成長戦略を立てさせ、実行させようというわけだ。

しかし労働党は伝統的にデマンドサイドを重視してきた。「鉄の女」マーガレット・サッチャー首相(保守党)を彷彿とさせる「鉄の財務相」のサプライサイド改革に労働党左派は早くも反発している。しかしスナク首相から労働党に政権交代すれば政治と政策の安定は確実に回復する。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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