コラム

コロナ規制の最中も続いた英首相官邸の「飲み文化」

2022年01月15日(土)22時13分

元閣僚の議員辞職に伴う補選で保守党は200年近く維持してきた伝統の議席を失った。しかし今の労働党に政権を担う準備があるとは言えない。このままジョンソン首相のデタラメに振り回され続けると保守党が次期総選挙で政権を失うどころでは済まない。イギリスはEU離脱後の国家像を描けなくなり、永遠に漂流を続けてしまうだろう。

世界最高水準のパンデミック対策を備えていると自負し、世界トップクラスの大学を擁する科学立国イギリスがコロナ危機で遺体の山を積み上げてしまった原因の大半はジョンソン首相のデタラメぶりにあると大半の有権者は考え始めている。ジョンソン首相はEU離脱と迅速なワクチン展開で獲得した政治資産を自分の愚かさで使い果たしてしまった。

ジョンソン首相にできる最善策は引き際をきれいにすることだけだ。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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