日本製鉄、USスチール買収「強い意志でできるだけ早くクローズ」
日本製鉄の森高弘副会長兼副社長は9日の決算会見で、米鉄鋼大手のUSスチールの買収について「強い意志を持って、できるだけ早いタイミングでクローズするスタンスは何も変わっていない」と述べた。写真は同社のロゴ。都内で2019年3月撮影(2024年 ロイター/Yuka Obayashi)
Ritsuko Shimizu
[東京 9日 ロイター] - 日本製鉄の森高弘副会長兼副社長は9日の決算会見で、米鉄鋼大手のUSスチールの買収について「強い意志を持って、できるだけ早いタイミングでクローズするスタンスは何も変わっていない」と述べた。
日鉄は、これまで9月までとしていた買収完了予定時期を12月末までに変更した。米国企業結合審査を行っている米国司法省から情報・資料の第二次請求(セカンド・リクエスト)を受けたことで、関係当局の承認などの取得時期を精査したという。
米大統領選挙までに完了の意向を持っていたが、選挙後になる可能性も出てきたことになる。森副会長は「大統領選挙を超えると政治性がなくなり、落ち着いた議論ができる可能性がある。悪い影響はない」と述べた。
欧州連合(EU)の欧州委員会は「競争上の懸念は生じない」として、日鉄によるUSスチールの買収計画を承認した。一方、米国では、全米鉄鋼労働組合(USW)が反対を続けているほか、バイデン大統領が「USスチールは完全に米国の企業であり続けるべきだ」と述べるなどし、慎重な姿勢を示している。
森副会長は、この買収はUSスチールを強くすることを企図したものだと強調。「ジョブセキュリティーやナショナルセキュリティーでの心配はない。きちんと説明し、理解してもらえれば、間違いなく良い方向に向かう」と述べた。
追加コミットメントの必要性については「現時点ではない」とした。