ニュース速報

日産、ルノーのトップと初の直接協議へ 溝埋まるかが焦点=関係筋

2018年12月18日(火)19時41分

[東京/パリ 18日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>、仏ルノー、三菱自動車<7211.T>による3社連合が定例会議を18日から2日間にわたりオランダ・アムステルダムで開く。複数の関係筋によると、日産の西川廣人社長兼最高経営責任者(CEO)が直接現地入りして会議に出席し、期間中に、ルノーのティエリー・ボロレ暫定CEOとの会談を計画している。

日産と三菱自の前会長、カルロス・ゴーン容疑者の逮捕後、西川社長が現地に赴き3社連合の定例会議に出席するのは初めて。今回、協議が行われれば、西川社長とボロレ暫定CEOが直接、顔を合わせる会談がゴーン容疑者逮捕後初めて実現することになる。

ただ、日産とルノーはゴーン容疑者の後任となる会長人事などで見解が異なり、両社の間には溝が生じている。西川社長はボロレ暫定CEOに直接会って説明し、ルノー側に理解を求めたい意向とみられる。

日産の筆頭株主でもあるルノーは、日産の臨時株主総会の早期開催も要請しているが、西川社長は難色を示した。同社長は17日の会見で、3月末までに受けるガバナンス(企業統治)改善に向けた特別委員会による提言後に株主総会を開くのが「ベスト」と述べた。

ゴーン容疑者の不正行為を巡る日産の社内調査の結果についても、日産はルノーに直接説明することを提案したが、ルノーからは弁護士を通してほしいとの要請を受け、西川社長は「日産の弁護士からルノーの弁護士へというコミュニケーションにとどまっている。生々しい部分は取締役1人ひとりに届いていない」と同日に説明した。

三菱自の益子修CEOは17日、記者団に対し、18日から19日にかけて3社連合による会議を開くことを明らかにしており、益子CEOはテレビ会議で出席するという。

関係筋の話では、3社連合の会議ではゴーン容疑者逮捕後に生じている一部のアライアンス部門とパワートレイン・プログラムにおける問題についても協議する予定。

*内容を追加しました。

(白木真紀 取材協力:白水徳彦、田実直美、Laurence Frost 編集:田巻一彦)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ミャンマー内戦、国軍と少数民族武装勢力が

ビジネス

「クオンツの帝王」ジェームズ・シモンズ氏が死去、8

ワールド

イスラエル、米製兵器「国際法に反する状況で使用」=

ワールド

米中高官、中国の過剰生産巡り協議 太陽光パネルや石
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加支援で供与の可能性

  • 4

    過去30年、乗客の荷物を1つも紛失したことがない奇跡…

  • 5

    「少なくとも10年の禁固刑は覚悟すべき」「大谷はカ…

  • 6

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    この夏流行?新型コロナウイルスの変異ウイルス「FLi…

  • 9

    礼拝中の牧師を真正面から「銃撃」した男を逮捕...そ…

  • 10

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中