コラム

20代~70代が抱くお金の不安を解消する方法、「老後をなくす」とは?

2023年05月02日(火)11時40分

人々が抱く「老後の不安」は「お金の不安」とほぼ同義だ。しかし、藤野氏は「日本では退職金を受け取るまでお金について考えたことのなかった人が圧倒的多数。お金に対して無垢である状態が良い人という考えが根強い」と、日本の金融教育の遅れを指摘する。

藤野氏自身は2018年に富山県朝日町に古民家を購入し、地方創生を実践している。藤野氏によると、朝日町は都心に比べると破格の賃料の物件も多く、都心に比べて野菜や魚は安くて新鮮だ。

「老後をどう組み立てるのかは、皆が言うほど怖くない。よく分からないから身構えている人が多いような気がします」

老後を考えるうえでお金以上に大事なのは、暮らす環境や人とのつながりだと藤野氏、竹川氏の両名は口を揃える。どこに住み、誰とどんな風に暮らしたいかをまずイメージしてみないと、漠然とした老後の不安がなくなることはないだろう。

ゆたかな老後を送るためには、現状の貯蓄残高を嘆くよりも、60歳以降の収入や生活環境を具体的にシミュレーションすることが重要だ。人生100年時代、より多くの選択肢の中から自分が最も輝けるライフプランを組み立ててみるといいだろう。

構成・酒井理恵

●YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)など。

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