コラム

何度も「尖閣に安保適用」を確認する日本がアメリカを疑心暗鬼にさせる

2020年11月18日(水)11時50分

「日中友好」をうたい、先の大戦の贖罪を行いつつ、中国で商売する。そのくせいざというときにはアメリカの若者に戦ってもらうという二重の依存体制の他力本願。米軍はいわば「平和国家日本の番犬」という発想が、ワシントンの政治家とシンクタンクの識者たちをいら立たせている。「平和の使者たる日本」を守るためにアメリカの軍人が命をささげるという大義名分がどこにあるのかも含め、日本は同盟国の立場にも立って物事を再考する必要があろう。

中国はどうか。実質的な戦争賠償金として2018年まで長年続けてきたODA(政府開発援助)と日本の先進的技術で強大になっても、「友好」は便宜的なスローガンであり反日こそが国策だ。必要ならばいつでも人民を反日行動に駆り立てられる。「歴史カード」は日本の政治家と国民をねじ伏せる有効な武器だと分かっている。ほぼ毎日のように尖閣沖に公船を遊弋(ゆうよく)させても、日本から懸念表明以上の反応がないのを中国は冷笑しているに違いない。

国際社会は八方美人がパフォーマンスする舞台を用意していない。「地味な」菅政権は余計に苦労するだろう。

<2020年11月24日号掲載>

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楊海英

(Yang Hai-ying)静岡大学教授。モンゴル名オーノス・チョクト(日本名は大野旭)。南モンゴル(中国内モンゴル自治州)出身。編著に『フロンティアと国際社会の中国文化大革命』など <筆者の過去記事一覧はこちら

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