最新記事

ロシア

ロシアの主要都市で原因不明の爆発と火災、ただごとでない動画

Moscow Fire Videos Show Smoke Billowing Around Key Train Stations

2022年11月21日(月)15時57分
ファトマ・ハレド

モスクワのコムソモーリスカヤ広場(2018年5月)OlgaVolodina-iStock.

<ウクライナの戦争が続くなか、ロシアの首都モスクワと第二の都市サンクトペテルブルクで不審な爆発や大火災が発生>

ロシアの首都モスクワで複数の爆発が起きた。空に上がる煙の下、地上では消防当局が3つの主要駅を巻き込んだ巨大な火災と戦っている。

ロシアの非常事態省によれば、火災は11月20日の日曜の午後、コムソモーリスカヤ駅前の広場に面した2階建ての倉庫で発生したという。一階の屋根の一部は焼け落ち、延焼は2000平方メートルに及んでいる。

ツイッターには、火災から立ち上る煙の動画がいくつも投稿されている。

【動画】モスクワの火災

フリーランスジャーナリストのSotiri Dimpinoudisの動画の背景には、サイレンが鳴り響いている。

別のツイートで彼は、火災の原因は爆発だと書いている。

モスクワ当局からの発表はない。ロシアのソーシャルメディアVKには、燃えている倉庫には7人が閉じ込められている、という投稿もあったが確認はできていない。

その1日前には、第二の都市サンクトペテルブルク近郊の市街地で巨大な火球が爆発し、燃え上がる様子を映した動画が19日早朝にソーシャルメディアで拡散された。

ドキュメンタリー映画『ロシア・メディア・モニター』を製作したジュリア・デイビスも、巨大な炎と煙の映像を投稿し、それを元NATO連合軍最高司令官ジェームズ・スタブリディスが共有した。

【動画】サンクトペテルブルクの爆発

「また不注意な喫煙者のせいだ」と、スタブリディスはコメントをつけた。

デイビスは、他にもムリーノ市で発生したとみられる火球の爆発をさまざまな角度から撮影した短いクリップを投稿している。

ツイッターユーザーの@adagamovも爆発の動画を共有し、「ガスパイプラインの大爆発」が原因だとツイートした。

爆発の原因や、ロシアのウクライナ侵攻との関係などの疑問は、公式の情報ではまったく明らかになっていない。だが、スペインの英字紙ユーロ・ウィークリーニュースは、現地時間19日の午後、ガソリンスタンドで爆発が起きたと報じた。

ニューヨーク・ポスト紙もこの火球について、ガスパイプラインの爆発が原因だと報じている。本誌はこれらの報道を独自に確認することができなかった。のちにレニングラード知事名でテレグラムに投稿されたメッセージによれば、爆発はパイプラインの減圧によって起こったと説明した。


202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米大学の反戦デモ、強制排除続く UCLAで200人

ビジネス

仏ソジェン、第1四半期は減益も予想上回る 投資銀行

ワールド

EUと米、ジョージアのスパイ法案非難 現地では抗議

ビジネス

EXCLUSIVE-グレンコア、英アングロへの買収
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中