最新記事

精神

マインドフルネスは効果的だが実践は難しい...そこで助けをくれる2冊の本

2021年10月25日(月)18時11分
flier編集部

その人は、ジムよりも困難といっていい幼少期を過ごしてきました。最も身近な大人から愛情を受けることが難しくとも、小学生の頃から周りに影響されず落ち着くための方法を自学していったそうです。ほかの大人から注がれた愛や関心をキャッチし、「最強のマジック」を体得して、いまは周りの人に伝える側にいるのでしょう。ジムにとってのルースのような存在に対する感謝の念がわきあがってきました。

本書を読み終わる頃には、いちばん大切なマジックの正体がわかります。そのとき人生の扉を開くカギを得られるはずです。

人生の「苦しみ」から解放されるには?

211023fl_icos03.jpg

『無(最高の状態)』
著者:鈴木祐
出版社:クロスメディア・パブリッシング
flierで要約を読む

マインドフルネスへのトレーニングをしようと思っても、そこに至るまでに、自分の中の苦しみや生きづらさと折り合いをつけることに、難しさを感じる人もいるのではないでしょうか。その苦しみを受け入れ、本来の可能性を取り戻すためにはどうしたらいいのか? その問いに画期的な解決策を提示してくれるのが、『無(最高の状態)』(クロスメディア・パブリッシング)です。

著者の鈴木祐氏は、10万本以上の科学論文を読破し、ベストセラーを生み出してきた新進気鋭のサイエンスライターです。本書では、誰もがもつ歪んだ行動・思考パターンを特定し、苦しみを受け入れて無我の境地をめざすための方法が、わかりやすく示されています。その内容は、神経科学や脳科学の研究、禅の教えに基づいていて納得感大です。

私たちの苦しみをこじらせる原因は、「一の矢=痛み」が生じたときに、「二の矢=苦しみ」が突き刺さってくることだそうです。「一の矢」は避けられない現実ですが、そこに「現実への抵抗」が加わることで「二の矢」が生まれます。

つまり、苦しみのメカニズムは「苦しみ=痛み×抵抗」という式で表せます。ならば私たちが取るべき対策は、現実に対して積極的に「降伏」することだと、降伏のポジティブな意味を学ぶことができるのです。

こうして自分を受容していくことで、心を開きやすくなり、マインドフルネスへの道を踏み出せるのではないでしょうか。

いかがだったでしょうか。今度こそマインドフルネスを実践したい方におすすめしたい2冊のご紹介でした。

flier編集部

本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。

通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

flier_logo_nwj01.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

為替円安、行き過ぎた動きには「ならすこと必要」=鈴

ワールド

中国、月の裏側へ無人探査機 土壌など回収へ世界初の

ビジネス

ドル152円割れ、4月の米雇用統計が市場予想下回る

ビジネス

米4月雇用17.5万人増、予想以上に鈍化 失業率3
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前の適切な習慣」とは?

  • 4

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 5

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 6

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    映画『オッペンハイマー』考察:核をもたらしたのち…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中