最新記事

リーダーシップ

米海軍特殊部隊が培った「リーダーシップ論」が、仕事や生活に役立つと言える訳

2021年7月21日(水)11時38分
ジョッコ・ウィリンク、リーフ・バビン
チェス盤の上の兵士のシルエット

Zeferli-iStock


<著者は「イラクの自由作戦」において、ラマディで任務に就いていた元将校。米ネイビー・シールズ伝説の指揮官が明かす「桁外れ」な成果を出すチームのリーダーに必要な信条と、その応用法とは。全米230万部のベストセラー『米海軍特殊部隊(ネイビー・シールズ)伝説の指揮官に学ぶ究極のリーダーシップ』の序文を2回に分けて転載する(後編)>

前編より続く:全米230万人が読んだ、イラクの戦場で生まれたリーダーシップ論

私たちはジョッコ・ウィリンクとリーフ・バビン。「イラクの自由作戦」において、イラク・ラマディで共に任務に就いたシールズの元将校だ。あの場所で私たちは、戦争の屈辱的な試練をよく知るようになった。あのときは幸運にも、勝利を収める極めて優秀なチームを育て、訓練し、導くことができた。戦場で任務に就き、油断がどれほど危険なものかを目の当たりにした。いつ何時、拠点が完全武装した敵の大群に制圧されてしまうかわからないのだから。

私たちは、失敗する――失う、驚く、裏をかかれる、打ちのめされる――とはどういうことかを知っている。こうした教訓は何よりも厳しいものだが、おそらく何よりも重要なものだ。

私たちが学んだのは、勝利を収めるためには、リーダーは任務の正当性を信じていなくてはならないし、不屈の忍耐力を持っていなくてはならない、ということ。とくに、疑い深い者たちが「本当に勝てるのか?」と疑問を抱いているときには。

シールズのリーダーとして、私たちは、マネジメントや組織にまつわる最善のやり方に加えて、リーダーシップの教訓を明らかにし、試し、確認し、記録していた。そしてその後、シールズのリーダーシップの訓練を構築し、実施し、シールズの新世代のリーダーのために、その原則を書き記すサポートも行った。

シールズの私たちのタスクユニットは、今では「ラマディの戦い」として知られる戦闘の大半で任務に就いていた。だが、この本は、そうした戦闘活動を歴史的に説明するためのものではない。こうした短めの書籍で、彼(か)の地で任務に就き、戦い、血を流して死んだ米軍の男たち、女たちの貢献と犠牲の物語を語ることなどとてもできない。

私たち――本書の著者であり、ラマディで共に戦ったシールズ隊員――は、米陸軍第28歩兵師団旅団戦闘団・第2旅団および米陸軍第1機甲師団・第1旅団(レディファースト旅団戦闘団)のもとで共に戦った部隊が示してくれた勇気、献身、プロ意識、無私の精神、犠牲には、この上なく謙虚な気持ちにさせられた。もちろんそれ以外の、米陸軍および海兵隊の勇敢で名高い数々の部隊にも。彼らの勇敢な行為や、任務と祖国への揺るぎない献身を詳しく語るなら、丸ごと一冊(もしくは、シリーズ本)で語る必要があるだろう。彼ら全員に、神の祝福がありますように。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日仏、円滑化協定締結に向けた協議開始で合意 パリで

ワールド

NATO、加盟国へのロシアのハイブリッド攻撃を「深

ビジネス

米製造業新規受注、3月は前月比1.6%増 予想と一

ワールド

暴力的な抗議は容認されず、バイデン氏 米大学の反戦
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 10

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中