最新記事

トランプ

トランプにとっては、大統領選での敗北よりツイッターからの追放がショックだった

Mary Trump Says Uncle Donald More Upset About Twitter Ban Than Election

2021年3月15日(月)15時08分
ナタリー・コラロッシ
トランプ前大統領

ニューヨークで支持者に手を振るトランプ前大統領(2021年3月) Carlo Allegri -REUTERS

<大統領選の敗北や弾劾裁判よりも、ツイッターからの永久追放と、ゴルフ場の問題のほうが、トランプにとっては重要だったと、トランプの暴露本を出した身内が批判>

ドナルド・トランプ前大統領は、大統領選で敗北したことよりも、ツイッターから締め出され、自分の所有するゴルフ場で開催される予定だった全米プロゴルフ選手権の会場が変更されたことのほうに憤りを感じているはずだと、臨床心理学者でトランプの姪であるメアリー・トランプは語った。

彼女は3月11日、ニュースサイトのインサイダーでトランプについて語った。「ツイッターのアカウントが永久停止処分になり、全米プロゴルフ協会(PGA)がトランプ所有のゴルフ場での大会開催を取りやめたことは、トランプにとって過去4年間で最悪の出来事だろう」

「ツイッターを使えないトランプはどうしていることだろう。 以前ほど世間の注目が自分に集まっていないことには気づいているはずだ」

大統領選の結果を覆すために、トランプを支持する暴徒が連邦議会議事堂を襲撃した2日後の1月8日、トランプはツイッターから永久追放された。この暴動は5人の死者を出し、結果としてあらゆる主要なソーシャルメディアのプラットフォームがトランプのアカウントを一時的または恒久的に凍結した。

トランプを担ぎ続ける共和党

1月10日には、トランプ・ナショナル・ゴルフコース(ニュージャージー州ベドミンスター)で開催する予定だった2022年の全米プロゴルフ選手権の会場を変更するとPGAが発表した。この大会を自分のゴルフ場で開催するために、トランプは何年もかけてロビー活動を行ってきた。

1月11日、ニューヨーク・タイムズ紙のマギー・ハーバーマン記者は、ドナルド・トランプは「がっかりしている」とツイートし、2度目の弾劾裁判よりも自分のゴルフ場で大会を開催できなくなったことに怒っていた、と伝えた。

「トランプは弾劾裁判に怒っている、と彼と話した人は言う。だがPGAの決定に対するトランプの怒りは桁違いだった」と、ハーバーマンはツイートした。

大統領選で敗北した後も、ドナルド・トランプは共和党内で大きな存在感を維持し、2024年の大統領選に出馬することをほのめかしている。

保守派の政治家や活動家が集う保守政治活動集会(CPAC)では、トランプに対する応援演説が相次いだ。テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員など政治家たちは、「ドナルド・トランプはどこにも行かない」と宣言した。

「明らかに、共和党のこのような状態はトランプを助ける形になっている。共和党の支持がなければトランプがどうなるか、想像してみればいい。トランプが選挙に負けた他の候補と同じくらい重要ではない存在になっていたら、彼は精神的にもっと参っていただろう」と、メアリー・トランプは語った。

■トランプ支持者のツイート「彼は活力に満ちて、2024年の大統領選に向けて準備は万端」
今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ゴールドマン、副会長に元ダラス地区連銀総裁のカプラ

ワールド

24年の世界石油需要見通し引き下げ、生産予想は上方

ビジネス

AI、政策金利を決める判断力はない=シンガポール中

ワールド

米政府、ファーウェイ向け半導体などの製品輸出許可取
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...…

  • 6

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    中国軍機がオーストラリア軍ヘリを妨害 豪国防相「…

  • 10

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中