最新記事

金融

トランプ大統領、次期FRB議長に選ぶのはイエレン、それとも?

2017年10月7日(土)09時13分

 10月5日、トランプ米大統領はこれまでに、次期連邦準備理事会(FRB)議長候補者4人と面談した。写真は2016年、ワシントンのFRBビル(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)

トランプ米大統領はこれまでに、次期連邦準備理事会(FRB)議長候補者4人と面談した。イエレン現議長の任期が来年2月で切れるため、数週間中に次期議長を決定する見通し。

候補に挙がっているイエレン氏(続投)、パウエルFRB理事、コーン国家経済会議(NEC)委員長、ウォーシュ元FRB理事の4人の横顔は以下の通り。

●コーンNEC委員長(57歳)

経歴:2006年から17年にかけてゴールドマン・サックスに勤務し、最高執行責任者(COO)などを務めた。

学歴:アメリカン大のビジネス学士号。

政策姿勢:FRBの政策が、他国の中央銀行の通貨安政策によって「制約」されていると述べたことがある。

候補者としての強み:FRBがバランスシートの縮小に向かう中、実務家としての知識が生かせる。

トランプ政権で重要な役割を担い、ホワイトハウスと共和党議員の信任が厚い。

弱み:経済学を正式に学んでいない。

議会上院での承認手続きでは、ゴールドマンでの長年の経歴と2億6000万ドルを超える個人資産が反感を買う可能性がある。

トランプ大統領の白人優越主義的発言を批判した。

●パウエルFRB理事(64歳)

経歴:弁護士にして投資銀行家。1997年から2005年まで投資会社カーライル・グループのパートナー。ジョージ・W・ブッシュ政権下で財務省高官。2012年から現職。

学歴:プリンストン大の政治学士号。ジョージタウン大法学士。

政策姿勢:イエレン議長と歩調を合わせて緩やかな利上げを支持し、反対票を投じたことはない。ドッド・フランク法(金融規制改革法)の一部緩和を提唱し、銀行の自己勘定取引を制限するボルカー・ルールの修正方法について発言したこともある。

候補者としての強み:当たり障りのない人選で、イエレン氏と交代しつつも政策の継続性を保てる。

現FRB理事の中で唯一の共和党員であり、経済を回復に導く一助となった実績があり、超党派の支持が得られそう。

金融市場と金融規制に通じる。

弱み:わざわざイエレン氏と交代させても、FRBの政策はあまり変わらない。

正式な経済学よりも金融市場や金融規制に詳しく、FRBの理事兼金融規制担当副議長となるランダル・クォールズ氏とかぶる部分が多すぎる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ICC、ネタニヤフ氏とハマス幹部の逮捕状請求 米な

ビジネス

FRB副議長、インフレ低下持続か「判断は尚早」 慎

ワールド

英裁判所、アサンジ被告の不服申し立て認める 米への

ワールド

ウクライナ、北東部国境の町の6割を死守 激しい市街
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『悪は存在しない』のあの20分間

  • 2

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 5

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された─…

  • 6

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 7

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 8

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 9

    9年前と今で何も変わらない...ゼンデイヤの「卒アル…

  • 10

    「親ロシア派」フィツォ首相の銃撃犯は「親ロシア派…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 4

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中