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崩壊都市の再生をかけたNY市長選、「ベーシックインカム」か「ガーディアン・エンジェルス」か
そのヤング氏が、今度はNY市長選に出馬しています。そして、今回の公約もBIが柱です。崩壊したNYの都市機能の中で、貧困問題を解決するにはとにかく給付を一刻も早く届けることだ、ヤング氏は激しくそう問い掛けています。市の財政が破綻寸前である中で、年収がキャッシュベースで2000ドル(21万円)前後という貧困層をまず救済し、そこからBIを拡大してゆく、その一方で「尊厳のある労働」を大原則にNYの雇用と経済を再生するというのです。
その一方で、共和党の側は勢いが出ていません。タクシー業界の利害代表であるフェルナンド・マテオ候補、ウォール街を代表した形のサラ・ティルシュウェル候補などが名乗りを上げていますが、支持は低迷しています。その一方で、共和党の看板ではNY市長選には勝てないので共和党支持者が民主党にくら替えして、民主党内でビジネスにフレンドリーな穏健派を推そうという動きもあります。
共和党候補の中で、興味深い存在がカーティス・スリワ氏です。スリワ氏は、1979年にNYの治安維持を担うボランティア組織「ガーディアン・エンジェルス」を立ち上げて40年にわたって活動してきた人物です。コロナ禍の中での、深刻な治安悪化に対しても「完全非武装」でパトロール活動を続ける姿には共感する人も多い中で、今回の市長選への出馬を表明しているのです。
そんなわけで、とりあえず現時点では「BIを掲げての貧困対策」か、「完全非武装の治安維持活動」かという、興味深い対立構図になっています。どんなに追い詰められても、生活に根差した部分に理念的な筋を通して行く動きが出てくるのが、この街の強みとすれば、今回の市長選がその契機となるかもしれません。
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