コラム

たとえ菅が辞めようと、臨時国会を開かない自民党には政権を任せられない

2021年09月03日(金)22時25分

さらに、国会を開かなければ、与党のみならず野党の持つ様々な少数意見を汲み取ることができず、きめ細かな対策を打ち出すことができない。もっとも現在の野党は、検査・補償の充実や「野戦病院」の建設など、必ずしも少数とはいえない民意を代表しているのだが。

次の政権は、まともに国会で議論する政権に

以上、臨時国会が召集されなければならない理由を述べた。憲法を遵守し国会を開くという、政治が行って当然のことを要求しなければならないのはとても残念だ。コロナの時代だからこそ、当たり前に国会で議論できる政権が必要なのだ。しかしそのような政権は、いかなる人物が次の総裁になろうと、自民党には最早望むことはできないだろう。総裁選の候補者たちは、安倍政権や菅政権で党の要職についており、そうした政治を容認してきたのだから。

従って、立憲政治という期待して当然のまともな政治を取り戻せるか否かは、総選挙の選択にかかっているのだ。


プロフィール

藤崎剛人

(ふじさき・まさと) 批評家、非常勤講師
1982年生まれ。東京大学総合文化研究科単位取得退学。専門は思想史。特にカール・シュミットの公法思想を研究。『ユリイカ』、『現代思想』などにも寄稿。訳書にラインハルト・メーリング『カール・シュミット入門 ―― 思想・状況・人物像』(書肆心水、2022年)など。
X ID:@hokusyu1982

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