コラム

要注意!若いミドルマネジャーを苦しませる「アラ定(アラウンド定年)の部下」たち

2018年07月02日(月)14時00分

最低限のITリテラシーとコミュニケーション能力が必要 stockstudioX-iStock.

<定年間近の部下にやる気がなくて困っている、という30~40代の管理職が増えている。このままではだめだ>

30歳前後の方を「アラサー」と呼び、40歳前後を「アラフォー」と言います。同じような略語に「アラ還」があります。還暦に近い人のことです。

その流れに便乗し、私は「アラ定」を使うことがあります。

「アラ定」とは、「アラウンド定年」の略。年齢を基準にした「アラ還」と異なり、定年退職の時期に近づいているかどうかが基準です。

このような略語を使うようになったのは、とにかく「アラ定」のベテラン社員にやる気が見られないからです。

「ミドル上司vsアラ定部下」

「最近の若者はやる気が見られない」という上司のぼやきは、今は昔。ひと昔前までは「ベテラン上司vs若者部下」であった構図に、今は「若いミドル上司vs高齢のアラ定部下」という構図も加わりつつあるのです。

私は企業の現場に入り込んで目標を絶対達成させるコンサルタントです。仕組みの構築やスキルアップが目的ではなく、「結果」が求められる支援をしています。

30代、40代の課長や部長職の方が私の研修を受け、

「60歳を過ぎた部下が私の下に異動してきました。行動指標を決めても、まったくやり切ってもらえません」

「昔、世話になった上司が私の部下になり、本当に困っています。昔ながらのやり方を変えてもらえないので、チームの空気が締まらないのです」

......このような「ぼやき」を口にする人が急増しているのです。

ミドルマネジャーの悩み

20代の若者を前にして悩むのは、ある意味健全ですが、人生の先輩である10歳以上も年上の方が部下についたら、誰でも戸惑うことでしょう。しかも相手が「アラ定」だと、なおさらです。

「Cさん、まだ営業部にデータを送ってないって、聞きましたよ。期限は今週の水曜日だったのに」

「え、水曜日? そうだっけ?」

「そうだっけ、じゃなくて......。店舗をまわって商品の陳列状態を写真で撮り、クラウドにアップするだけじゃないですか」

「あのタブレットで写真を撮るのか」

「何を今さら......。説明会を聞いていたでしょう? 手取り足取り教えてもらって、操作も覚えたはずです」

「タブレットで写真を撮ってから、どうすればいいんだ。画像をアップしろと言われても、どこにデータを保存していいのか」

「保存なんか意識せず、クラウドにそのままアップすればいいのです」

「私は後2年で定年なんだ。そう追い込まんでくれよ」

「全国で実施している調査なのに、このエリアだけができてないと本部から叱られてるんです。困ったなァ」

プロフィール

横山信弘

アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。全国でネット中継するモンスター朝会「絶対達成社長の会」発起人。「横山信弘のメルマガ草創花伝」は3.5万人の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『営業目標を絶対達成する』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者。著書はすべて、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。年間100回以上の講演、セミナーをこなす。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。最新刊は『自分を強くする』。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米CPI、4月は前年比3.4%上昇に鈍化 利下げ期

ビジネス

米小売売上高4月は前月比横ばい、ガソリン高騰で他支

ワールド

スロバキア首相銃撃され「生命の危機」、犯人拘束 動

ビジネス

米金利、現行水準に「もう少し長く」維持する必要=ミ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 3

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 4

    それでもインドは中国に勝てない...国内企業の投資意…

  • 5

    マーク・ザッカーバーグ氏インタビュー「なぜAIを無…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    奇跡の成長に取り残された、韓国「貧困高齢者」の苦悩

  • 8

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story