最新記事
アルゼンチン

「中国との関係凍結」が公約のアルゼンチン新大統領、就任1カ月で売ったけんかと、その結果

PICKING A FIGHT WITH CHINA

2024年1月31日(水)20時45分
チアゴ・デ・アラガオ(戦略国際問題研究所〔CSIS〕上級研究員)

資金不足と急激なインフレに直面しているアルゼンチンは中国との関係修復を急ぎたいが、中国は余裕の構えだ。アルゼンチンは資金が必要で、ほかの市場がその提供を嫌がることを知っているからだ。

そう考えると、ミレイ政権が下す決定は中国・台湾との関係に影響を及ぼすだけでなく、アルゼンチンの両者に対する国際的な立場をより幅広く定義することにもなるだろう。

台湾にしてみれば、現在は外交関係を持つ国がパラグアイしかない南米で外交上の存在感を高めるチャンスだ。アルゼンチンが承認する政府を中国から台湾に変えないとしても、台湾にとってはミレイ政権と頻繁に交流できるようになれば大きなプラスになる。

しかしアルゼンチンは中国が反発を強めることを承知の上で、本当に台湾との関係を強化すべきなのか。ミレイに決断の時が来ている。

©Project Syndicate


240206p15_THIAGO_01.jpgチアゴ・デ・アラガオ
THIAGO DE ARAGÃO
ジョンズ・ホプキンズ大学大学院修了。中南米地域の分析を手がけるブラジルのコンサルティング企業、アルコ・アドバイスのディレクターも兼ねる。専門は対中国関係。

20240514issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年5月14日号(5月8日発売)は「岸田のホンネ」特集。金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口……岸田文雄首相が本誌単独取材で語った「転換点の日本」

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=ダウ7日続伸、米指標受け利下げ観測高

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、米指標が労働市場減速を示唆

ビジネス

ディスインフレ進行中、「相当な」不確実性が存在=S

ビジネス

USスチールは米にとどまるべき、バイデン氏の方針変
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必要な「プライベートジェット三昧」に非難の嵐

  • 2

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽しく疲れをとる方法

  • 3

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 4

    上半身裸の女性バックダンサーと「がっつりキス」...…

  • 5

    ロシア軍兵舎の不条理大量殺人、士気低下の果ての狂気

  • 6

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 7

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 8

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 9

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 10

    自民党の裏金問題に踏み込めないのも納得...日本が「…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 8

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食…

  • 9

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 10

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中