最新記事

災害

リビア、暴風雨で複数のダム決壊 死者5000人超、1万人が行方不明か

2023年9月13日(水)12時30分
洪水が発生したリビア東部の街デルナ

暴風雨による洪水が発生したリビアでは、東部のデルナがダムの決壊で町の約4分の1が被害を受けた。東部を支配するリビア国民軍(LNA)の当局者は12日、これまでに1000体以上の遺体が収容されたと明らかにした。Libya Al-Hadath提供(2023年 ロイター)

暴風雨による複数のダム決壊で洪水が発生し、壊滅的な被害が出ているリビア東部で、これまでに数千人が死亡し、少なくとも1万人が行方不明となっている。現地の当局者らが12日明らかにした。

現地テレビによると、東部の当局者は死者が5000人を超えたと語った。

現地の病院幹部はロイターに対し、人口約12万5000人の東部デルナの1地区で1700人、別の地区で500人が死亡したと述べた。

これに先立ち、同地域を支配するリビア国民軍(LNA)の当局者はこれまでに1000体以上の遺体が収容されたと明らかにし、「町の25%が消失したといっても過言ではない。多くのビルが倒壊した」と述べていた。

国際赤十字・赤新月社連盟の当局者によると、現時点で少なくとも1万人が行方不明になっているという。

LNA当局者はまた、行方不明者数が増えているため、リビア全体の死者数は2500人以上に達する恐れがあるという見通しを示した。

リビア第2の都市ベンガジを含む東部の他の都市も暴風雨に襲われ、国際赤十字の当局者は最終的な死者数は「膨大」な数になる可能性があると述べた。

リビアは国家分裂状態で、東部は国際社会が認定した首都トリポリの暫定政権の支配が及ばないが、救援に乗り出した。12日に支援物資を積んだ飛行機が飛び立った。

これまでにエジプト、カタール、イラン、イタリアなどが支援の方針を示している。米国も国連やリビア当局と支援に向けた調整を進めているとしている。

国連の援助責任者も、緊急チームが現地での支援に動員されたと明らかにした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、売れ残り住宅の買い入れ検討=ブルームバーグ

ワールド

豪が高度人材誘致狙い新ビザ導入へ、投資家移民プログ

ビジネス

米シェブロン、4月に最も空売りされた米大型株に テ

ワールド

米ユーチューブ、香港で民主派楽曲へのアクセス遮断 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 4

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 8

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 9

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 10

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中