最新記事

インドネシア

G20首脳会合、注目は全体会議より米中などの個別会談 プーチンは出席見送りか

2022年11月8日(火)13時11分
大塚智彦
ロシアのプーチン大統領とインドネシアのジョコ大統領

G20参加を呼びかけるため6月にロシアのプーチン大統領と会談したインドネシアのジョコ大統領だったが…… REUTERS

<激動する世界情勢のなか、各国の歩み寄りは可能なのか?>

11月15、16日にインドネシアのバリ島で開催されるG20首脳会合では、全体会議とは別に各国による二国間会議など個別の外交交渉が展開される見通しで国際社会の注目を集めそうだ。

インドネシア外交当局によると、11月7日現在でG20メンバー20カ国のうちこれまでに18カ国の首脳が参加を表明しているという。

日本の岸田文雄首相をはじめ米バイデン大統領、韓国の尹錫悦(ユン・ソンヨル)大統領、そして中国の習近平国家主席らが出席予定者に名を連ねている。

なかでもバイデン大統領と習近平国家主席による米中首脳会談が現在水面下で調整中とされ、もし実現すればこの両首脳による対面での直接会談が初めて実現することになるという。

一方で、G20のメンバーであるロシアのプーチン大統領はこれまで参加を明言しておらず、現段階で参加は微妙であり、一部では首相の代理出席が検討されているとの情報もでている。

議長国であるインドネシアのジョコ・ウィドド大統領はG20への参加をプーチン大統領とともにウクライナのゼレンスキー大統領にも打診しているが、G20メンバーではないゼレンスキー大統領の出席はウクライナでの戦況次第という部分もあり、オンラインでの参加に向けて調整が続けられているという。

事務レベルで米中会談実現へ調整中

10月30日、米ブリンケン国務長官と中国の王毅外相が電話会談したと米国務省が明らかにし、G20首脳会合に合わせて米中首脳会談を開催する方向で調整が進んでいるとの見方が強まった。

また11月1日には米国家安全保障会議(NSC)のカービー調整官がバリ島での米中首脳会談実現に向けて事務レベルでの調整が進んでいることを明らかにし、会談実現への期待が一気に膨らんでいる。

米政府は8月にペロシ下院議長が台湾を訪問したことで緊張が高まった米中関係を、意思疎通を維持しつつ緊張緩和への道筋を探りたいとの意向があり、中国側も偶発的な衝突回避とともに「両国関係に新たな障害を作り出すべきではない」(王毅外相)との思いがあり、米中首脳会談実現に向けた土台は固まりつつあるといわれている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米EV税控除、一部重要鉱物要件の導入2年延期

ワールド

S&P、トルコの格付け「B+」に引き上げ 政策の連

ビジネス

ドットチャート改善必要、市場との対話に不十分=シカ

ビジネス

NY連銀総裁、2%物価目標「極めて重要」 サマーズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前の適切な習慣」とは?

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中