最新記事

朝鮮半島

北朝鮮がコロナに勝利宣言 金与正「金総書記も発熱、感染源の韓国に報復」

2022年8月11日(木)13時46分
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が新型コロナウイルスとの戦いに勝利したと宣言し、5月に導入した感染拡大抑制措置の解除を命じた。北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)が11日に報じた。(2022年 ロイター/KCNA via REUTERS )

北朝鮮金正恩朝鮮労働党総書記は11日、新型コロナウイルスとの戦いに勝利したと宣言した。妹の金与正党副部長は、正恩氏が発熱の症状に見舞われたことを明かし、同国がコロナ感染源と主張する韓国への強力な報復を警告した。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)によると、正恩氏は5月に導入した最大限の感染拡大抑制措置の解除を命じた。同時に「世界的な健康危機が終わるまでは鉄のような防疫壁を維持し、防疫対策を強化しなければならない」とも述べた。

与正氏は正恩氏自身も発熱したと述べ、コロナに感染していた可能性を初めて示唆。「(正恩氏は)高熱で重い症状だったが、人民のことを思い片時も横になることができなかった」と述べた。

正恩氏の健康状態について詳細は明らかにしなかったが、韓国から飛ばされたビラが感染拡大の原因だと主張した。

韓国の脱北者団体などは北朝鮮の体制を批判するビラや食料、医薬品などを付けた風船を北朝鮮に飛ばしている。

与正氏は韓国の尹政権がこうしたビラ散布を禁止する2020年の措置撤回を検討していると批判。「韓国からの絶え間ないごみの流入をもはや看過できない」とし、韓国当局を「一掃する」とけん制した。また「致命的な報復措置」で対抗する必要があるとした。

韓国の聯合ニュースによると、韓国統一省は脱北者団体のビラがコロナ感染源とする北朝鮮の主張や韓国への警告に遺憾の意を示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米EV税控除、一部重要鉱物要件の導入2年延期

ワールド

S&P、トルコの格付け「B+」に引き上げ 政策の連

ビジネス

ドットチャート改善必要、市場との対話に不十分=シカ

ビジネス

NY連銀総裁、2%物価目標「極めて重要」 サマーズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 5

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 6

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 10

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中