中国・上海、1カ月続くロックダウンは解除のめど立たず 住民の不満広がる
引き続き営業している店舗も客足はまばら。人々は感染者と濃厚に接触して隔離施設入りを強制されるリスクを避けたがっている。
ある理髪店の店主は、全住民が携帯電話の監視ソフト使用を義務付けられている点に触れて「われわれの北側のモールやオフィスは封鎖されている。住民がそこを訪れれば、アプリによって濃厚接触者と認定されかねない。現在の感染拡大で誰もが本当に不安だらけになっている」と打ち明けた。
悪化する雇用
国営メディアは、李克強首相が7日の政府当局者との電話会議で、特に中小企業が雇用を維持できるよう「できる限り多くの」経営者を支援すると約束したと報じた。
中国の3月の失業率は5.8%と2020年5月以降で最も高く、31都市に限れば過去最悪の6.0%に達している。しかも4月は上海のロックダウンや他の地域の感染対策に伴う規制が強化により、労働市場の逆風は一段と強まった。
それでも中国政府は新型コロナウイルスを一掃する決意を緩めていない。先週にはゼロコロナ政策を批判すれば処罰する意向も示唆。多くの都市では定期的な検査が日常生活の一部と化し、当局はそうした検査こそが大規模な封鎖や移動制限を避け、感染の早期発見と封じ込めに役立つと期待している。
北京では8日、朝陽区や房山区、豊台区などで検査を受けるための住民の行列が発生し、朝陽区のある地域では住民に検査を受けろとのメッセージを繰り返す大音量のスピーカーを持って担当者が巡回する光景も見られた。
検査義務がない多くの住民も、出勤やさまざまな施設への入場には最新の陰性証明提示が不可欠になっている。
北京の1日当たり新規感染者数は数十人と、上海に比べるとずっと少ない。上海の新規感染者は8日時点で9日連続減少したが、なお数千人規模。共産党や市の幹部からは楽観論を戒める声が出ている。
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