米政府、プーチンの娘2人も制裁対象に 狙いは大統領の隠し資産
しかし、米議会は別の見方をしている。与党・民主党のホワイトハウス上院議員は数週間前、「プーチン氏とオリガルヒは、豪邸や大型ヨット、美術品をはじめとする高額資産の購入を通じ、不純な手段で獲得したお金を法の支配が行き届いている国に持ち込んでいる」と強調しつつ、制裁対象となっているオリガルヒの資産差し押さえにつながる情報提供に懸賞金を付ける法案を提出した。
2人の素顔
マリア氏とカテリーナ氏はこれまで、プーチン氏が父親だと公言したことは一度もない。プーチン氏も、娘に関する質問には回答を拒否している。
ロイターは2015年以降、「アクロバットロックンロール」と呼ばれるダンス競技の選手であるカテリーナ氏が、ロシアの次世代エリート層とどのような関係があり、どこまで影響力を持っているのか調査した。カテリーナ氏が自身の「配偶者」としているキリル・シャマロフ氏の父親ニコライ氏は、プーチン氏と長らく盟友関係にあり、ロシア銀行の株主だった。
米政府は、ロシア銀行を同国のエリートが個人的に利用する銀行だとみている。
キリル氏とカテリーナ氏は共同で会社を保有しており、金融アナリストの試算では企業価値は約20億ドルに上る。
マリア氏はサンクトペテルブルク大学で生物学、モスクワ大学で医学を学び、遺伝子研究にも深く関わっていることがロイターの取材で分かっている。プーチン氏は以前から、遺伝子研究は「全世界の未来を左右する」分野の一つと位置付けてきた。
西側やロシアのメディアによると、マリア氏はオランダ人のビジネスマンと結婚。15年にはモスクワのエンドウクリン・リサーチセンターで博士候補として、内分泌システムの研究を専攻し、子どもの「突発性成長阻害」についての共著もある。
オランダ人の夫はかつて、ロシア国営天然ガス企業ガスプロム傘下の大手銀行ガスプロムバンクに勤務していた。ガスプロムバンクはプーチン氏側近と強いつながりがあるとされる。マリア氏と夫の資産状況は今のところ判明していない。
(Nandita Bose記者)
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