最新記事

感染症対策

ベトナム、アストラ製ワクチン接種者に2回目はファイザー製使用へ WHO「危険な傾向」と注意喚起

2021年7月14日(水)10時35分
ファイザー・ビオンテック製とアストラゼネカ製のワクチン

ベトナム政府は新型コロナウイルスワクチンについて、1回目に英アストラゼネカ製を接種した人に対し、2回目は米ファイザーと独ビオンテックの共同開発ワクチンを選択できるようにする方針を明らかにした。写真はファイザー・ビオンテック製とアストラゼネカ製のワクチン。3月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

ベトナム政府は13日、新型コロナウイルスワクチンについて、1回目に英アストラゼネカ製を接種した人に対し、2回目は米ファイザーと独ビオンテックの共同開発ワクチンを選択できるようにする方針を明らかにした。

同国では国民への一斉接種はまだ初期段階にあり、接種完了者は30万人に満たない。これまではアストラ製を使用してきたが、先週、ファイザー・ビオンテック製9万7000回分が到着した。

政府は声明で「8─12週前にアストラ製の1回目接種を受けた人にはファイザーワクチンが優先使用される」と表明した。

カナダ、スペイン、韓国を含む複数の国は、アストラ製ワクチン接種後にまれに生じる血栓症の副作用について懸念があるため、異なる種類のワクチンの混合接種を既に承認している。

ただ、世界保健機関(WHO)の主任科学者ソミヤ・スワミナサン氏は12日、異なるメーカーの新型コロナウイルスワクチン混合接種は「危険な傾向」だとし、注意を促した。

ベトナム政府は別の声明で、保健省がインドからコロナワクチン「コバクシン」1500万回分を調達するために交渉していると明らかにした。

ベトナムはこれまで、ワクチンの公平な分配を目指す国際的枠組み「​COVAX」や寄付、独自購入分も含め800万回分のワクチンを受け取った。

政府は、国内の感染拡大が加速する中、ワクチン接種ペースの引き上げを目指している。今月に入って1日当たりの感染者数は8回にわたり過去最多を更新しており、13日の新規感染者はホーチミン市を中心に2031人に上った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・インド、新たな変異株「デルタプラス」確認 感染力さらに強く
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベトナム国会議長、「違反行為」で辞任 国家主席解任

ビジネス

ANAHD、今期18%の営業減益予想 売上高は過去

ワールド

中国主席「中米はパートナーであるべき」、米国務長官

ビジネス

中国、自動車下取りに補助金 需要喚起へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 8

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中