最新記事

クーデター

ミャンマー民主派、「国民防衛隊」設立を宣言 国軍に対抗

2021年5月6日(木)09時22分

ミャンマーの民主派勢力の「挙国一致政府(NUG)」は5月5日、独自の部隊「国民防衛隊」を設立したと明らかにした。クーデターで全権を掌握した国軍の攻撃から支持者らを守るのが目的としている。写真は軍事クーデターへの抗議デモで、手製のエアガンを構える抗議者ら。ヤンゴンで4月3日撮影、提供写真(2021年 ロイター)

ミャンマーの民主派勢力の「挙国一致政府(NUG)」は5日、独自の部隊「国民防衛隊」を設立したと明らかにした。クーデターで全権を掌握した国軍の攻撃から支持者らを守るのが目的としている。

NUGは声明で、今後の連邦軍の創設に向けた行動であり、「70年にわたる内戦を終結させるため、安全保障における効果的改革を実現させる」責務があると説明した。

少数民族武装勢力など軍事政権に対抗する勢力により先月設立されたNUGは、暴力の終結や民主主義の回復、「連邦民主連合」の創設を表明している。

軍事政権のスポークスマンからのコメントは得られていない。

ミャンマーの国営メディアは5日、今週バゴー地域で起きた爆発について、アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)の元議員など爆発で死亡した5人が爆弾を作っていたと報じた。現場では、ワイヤーやバッテリ、破壊された携帯電話などがみつかったという。

一方、NUGの閣僚兼報道官は5日、バゴー地域での爆発は軍指導部によるもので、国際法廷で裁きを受けるべきだと指摘。ロイターに対して「殺人と人道に対する罪は、ミャンマー軍の最高指導部によって巧みに計画され、組織的に行われた」と主張した。

ミャンマーの人権団体「政治犯支援協会」によると、国軍の弾圧による死者は769人に上っている。軍事政権側はこの死者数を否定しているが、この約3分の1の人が死亡したことは認めている。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意

ワールド

国際刑事裁の決定、イスラエルの行動に影響せず=ネタ

ワールド

ロシア中銀、金利16%に据え置き インフレ率は年内
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中