最新記事

新型コロナウイルス

NY在住の大江千里、モデルナ製ワクチン接種後に副反応? 体調が急変し失神した

2021年2月18日(木)11時55分
大江千里(ニューヨーク在住ジャズピアニスト)

だんだん全身が痛くなり息が苦しくなった。なので、ベッドへ。ショットを打ったのが午前11時35分ごろ。この症状が始まったのが午後6時ごろ。きつくなったのが午後8時ごろ。そしてベッドで9時半ごろ、急激に調子が悪化。

全身が痛み、ゾクゾクするのになぜか熱い。心臓をわしづかみにされるようで、呼吸もさっきよりも苦しくなる。知らない何かに身体を乗っ取られた感覚がして、僕は直感でやばいと思いマネージャーにメールをするが、彼女からの返事が来るまでの数秒の間に自分の黒目が動かせなくなる。

今まで一度も経験したことのない症状だ。心じゃひたすら「絶対に生きる」と唱えて、そのまま気を失った。

夜明けに2回、水を補給しに起きる。起きようとするのだが、丸虫のように何度も身体をテコにして勢いをつけなければ起き上がれない。

しかし給水後は熟睡して朝6時過ぎに目が開く。再び水を飲み、調子が良くなったので体温を測ったら37.6度だった。ということは昨夜の熱はどれだけ高かったのか?

その日は熱が上がったり下がったりで仕事は全くできない。お腹はやたら空くので残り米でおかゆを作り食べた。寝て起きて食べて水分を摂取してまた寝て起きる。

11日の夜9時までに数時間おきに計って、37.6度→37.5度→36.7度→36.5度→36.4度→37.4度→36.0度。でも昨夜の事故のようなあの苦しみはなく、あの誰かに締めつけられたような感覚に悶絶した痛みのカケラが節々に残っていた。

念のため主治医を含める3人のドクターに症状を話すと、みな同じ見解で「アナフィラキシーショックの疑いがある」と言うことだった。

米疾病対策センターが1月22日に発表した報告書によると、モデルナのコロナワクチンを接種した404万人のうち10人がアナフィラキシーと呼ばれる激しいアレルギー反応を示したという。

つまり40万人に1人の頻度で、外部からの異物に過剰に反応し、複数の臓器や全身にアレルギー症状が出て、血圧低下や意識レベルの低下、失神を伴うなどの症状になる。

通常は数分から数十分以内に起きるため、接種後に会場で待機させられたわけだ。しかし接種の仕方、その吸収の仕方の違いや、個人差などで数時間後に出ることがあるらしい。

ちなみに僕はこれまでにワクチン接種後にアナフィラキシー反応が出たことは一度もなく、持病もない。ただ、いまから考えると少し喉が痛い日々が続いていたので前日まで葛根湯で抑えてはいた。(腕の痛みは10月9日に帯状疱疹の1回目のワクチンを右腕に接種後も起こったが、この腕はもともと脂肪腫が筋肉を圧迫していた。帯状疱疹2回目は左に打ち、何も症状は出なかった)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国、在外公館のテロ警戒レベル引き上げ 北朝鮮が攻

ビジネス

香港GDP、第1四半期は+2.7% 金融引き締め長

ビジネス

豪2位の年金基金、発電用石炭投資を縮小へ ネットゼ

ビジネス

再び円買い介入観測、2日早朝に推計3兆円超 今週計
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中