最新記事

韓国

韓国メディアに激震 テレビ局CM売上激減、ニュース番組が導入したプレミアムCMとは

2020年10月5日(月)19時15分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

ニュースへのPCM導入に新聞協会がかみつく

今回『SBS 8 NEWS』は、これまでの55分番組から70分へ放送時間を拡大し、1, 2部で分けてその間にPCMを放送することとなった。また、同時に同局は人気調査報道番組である 『それが知りたい』も、今後2部に分けて放送され、中間にPCMを放送する予定と発表された。

これらの決定が公表されると、すぐに視聴者からの大きな批判の声が集まった。さらに、20日には韓国新聞協会から「視聴者権利侵害する地上波放送PCMを即刻規制しろ」という強い批判声明が出された。

韓国新聞協会は、「国民の財産である電波を使う地上波放送局は、公益性を守り、視聴者の視聴権を優先しなければならないという社会的合意が放送法に収められている。」として、「一日も早く地上波放送のPCM放送の規正と、さらに拡大せぬよう放送法令改訂など措置に乗り出すことを求める」と主張した。

PCM導入はMBCが先だったが

9月22日、国民の力党ジョ・ギョンヒ議員の発表によると、韓国の地上波4局(KBS·MBC·SBS·EBS)が、今年上半期にPCMを導入し放送した番組の数は86作品に上ったという。これは、昨年1年間で4社が放送したPCM放送作品数とほぼ同じであり、今年は下半期を合わせると、去年の倍以上になる見込みだという。

今回注目を集めている『SBS 8 NEWS』だが、地上波のニュース番組でPMC導入放送を始めたのはこの番組が初めではない。今年6月MBCは、メインニュース番組 『ニュースデスク』でPCM放送を開始している。地上波以外でいえば、総合編成チャンネルJTBC『ニュースルーム』も、100分の放送時間を1, 2部で分けてPMC放送を開始した。

しかし、この2番組が『SBS 8 NEWS』と違い批判が少ないのは、1部では普通のニュース、2部ではテーマを組んで深く掘り下げる調査報道と、まるで別番組のような構成にしているためだろう。こうすることによって、1つの番組の途中にCMが流れるという感覚は薄らいでいる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米消費者、支出により慎重 低所得層の延滞率注視=シ

ビジネス

米ウォルマート、ヘルスケア施設を全閉鎖 採算見えず

ワールド

米上院、ロシア産ウラン輸入禁止法案を可決

ビジネス

米住宅価格指数、2月は前月比1.2%上昇 1年10
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    衆院3補選の結果が示す日本のデモクラシーの危機

  • 7

    なぜ女性の「ボディヘア」はいまだタブーなのか?...…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 10

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 7

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中