最新記事

ペット

「5000円×36回ローンで買われた猫」を待ってた悲しい末路 犬や猫のいる生活には「100〜200万円」かかる現実

2020年10月10日(土)13時30分
阪根 美果(ペットジャーナリスト) *東洋経済オンラインからの転載

月5000円、36回ローンで買われた猫が直面した悲劇とは? Laura Fokkema - iStockphoto

日本で飼われているペットの数は年々増加傾向にあり、その総数は15歳未満の子どもの数(1533万人)を追い抜きました。一般社団法人ペットフード協会が発表した「2019年全国犬猫飼育実態調査結果」によると、犬は879万7000頭、猫は977万8000頭で犬猫推計飼育頭数の全国合計は1857万5000頭です。

犬の飼育頭数は減少傾向にあるようですが、コロナ禍の在宅勤務で世話がしやすくなったことなどから、心の癒やしを求めてペットを飼う人が増えおり、これから飛躍的に飼育頭数が増加する可能性もあります。

しかしながら、犬や猫をペットショップなどで購入する場合の値段は高額です。一括で支払うことができずに、最近はローンを組んで購入する人も増えています。また、ペットの購入を目的としたローン商品を取り扱う銀行も出てきており、それを利用することが一般的になりつつあります。

ある日、ふらっと立ち寄ったペットショップで「運命の出会い!」「連れて帰りたい!」「でも値段を見ると手が出ない......」と思っているときに、分割払いを利用できると聞いて購入を決める。でも、その安易な選択が後悔を伴う不幸な事態を招くこともあります。

ローン返済も猫の飼育も破綻したAさん

先日、筆者のところに知人からある相談がありました。「友人のAさんがローンを組んで猫を購入したのですが、収入が減りローンも払えないし、飼育もできないと言っている」と。

詳しく話を聞くと、ペットショップで一目ぼれして、全額支払うのは無理だったので、残りは月々5000円36回払いのローンを組んで購入したとのこと。しかし、いざ飼い始めると医療費などに、思っていた以上のお金がかかってしまったというのです。まだ、返さなきゃいけないローンは半分以上残っているとか。

私はコロナ禍が大きな要因なのかと考えていたのですが、もともとAさんは生活に余裕があったわけではなかったようです。猫はどうするつもりなのかを聞くと、「どうしたらよいのかわからない」と困りはてています。私はとりあえず知人とともにAさんの家に行き、猫の状態を含めて詳細を確認することにしました。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 8

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 9

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中