ノーベル経済学賞の「オークション理論」、実社会での功績は?
2020年10月19日(月)16時00分
ミルグロム(左)とウィルソン(右)が受賞 ANDERS WIKLUND-TT NEWS AGENCY-REUTERS
<理論の基礎理解と公共の利益の最大化に貢献したとして評価される米教授2氏の研究内容とは>
今年のノーベル経済学賞に決定したのは、米スタンフォード大学のポール・ミルグロム教授とロバート・ウィルソン名誉教授。オークション理論で知られる2人は、その研究成果だけでなく、社会における実用化と公共の利益の最大化に貢献したと評価された。
オークションは経済の基礎的な部分であり、eベイでのショッピングから政府による入札まであらゆる分野に影響。ウィルソンの研究は、オークションの力学への基礎的な理解を広げた。彼の理論は各国の無線周波数の使用権オークションに採用され、非効率で細分化されていた周波数市場を統一し、利益を上げる仕組みへと転換させた。ミルグロムは入札者の利益を最大化するルール決定に貢献した。
スウェーデン王立科学アカデミー経済学賞委員会のピーター・フレデリクソン委員長は、「基礎理論から始め、実社会に応用し、それが世界に広がった。彼らの発見は社会に大きな利益となった」と評している。
<2020年10月27日号掲載>
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