最新記事

アマゾン

アマゾン年末商戦を狙って各地でストライキ、賃上げ求める

Amazon Black Friday Protests in Europe: What We Know

2019年12月2日(月)16時40分
ブレイク・ドッジ

フランスでの抗議活動は11月28日の夜に始まった。BBCの報道によれば、ブレティニー・シュル・オルジュにあるアマゾンの物流センターの周囲で活動家数十人が人間の鎖を作り、冷蔵庫やその他電化製品をバリケードのように置いた。

抗議活動は、クリシーにあるアマゾンのフランス本社でも行われた。環境保護団体リヨン・クライメイートが組織した気候変動に関する活動家が集まって、温室効果ガスを排出するアマゾンの高速配送サービスに抗議した。

抗議者が掲げるボードには、「アマゾンとその世界を止めろ」、「アマゾンよ、気候のため、雇用のために、拡大を止めろ、過剰生産を止めろ」と書かれていた。

BBCへの声明の中で、アマゾンはパリ協定が目標とする2050年より10年早く事業活動からの温室効果ガス排出ゼロの企業になるという野心的な誓約を改めて強調した。

数千人の労働者がストに参加したドイツの組合によると、ドイツでは過去10年の大半を通じて、アマゾンに対するおびただしい数の抗議活動が発生している。

「配送には影響なし」

ベルディ幹部オーハン・アクマンは、アマゾンの労働者が生活水準を維持できるだけの賃金を得ていなのに、ブラックフライデーのような大幅な割引セールが行われていることを指定した。

「アマゾンは小売部門と郵便部門の組合との労働協約に合意しなければならない。給料・賃金は中世の領主が領民に対するようなやり方では決められない」と、アクマンはCNNに語った。

アマゾンは各地の物流センターに、抗議活動のせいで週末の配送を混乱させないようにという指示を出していた。

「正確な数は明かせないが、ドイツの抗議活動への参加は非常に限られているため、運用上の影響はゼロだった。したがって、顧客への影響はない」と、アマゾンの広報担当者はCNNビジネスに語った。

(翻訳:栗原紀子)

20191203issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月3日号(11月26日発売)は「香港のこれから」特集。デモ隊、香港政府、中国はどう動くか――。抵抗が沈静化しても「終わらない」理由とは? また、日本メディアではあまり報じられないデモ参加者の「本音」を香港人写真家・ジャーナリストが描きます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナに北朝鮮製ミサイル着弾、国連監視団が破片

ワールド

米国務長官とサウジ皇太子、地域の緊急緩和の必要性巡

ビジネス

地政学的緊張、ユーロ圏のインフレにリスクもたらす=

ビジネス

NY外為市場=円急騰、日本当局が介入との見方
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米…

  • 10

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中