最新記事

環境問題

中国、国土の16%で土壌汚染 16年以降1300以上の重金属企業を閉鎖

2019年12月2日(月)09時52分

中国環境省の高官は29日、土壌汚染抑制に向けた長期計画の一環として、2016年以降1300社以上の重金属企業を閉鎖したことを明らかにした。写真は河北省にある化学工場。2017年2月23日撮影(2019年 ロイター/Thomas Peter)

中国環境省の高官は29日、土壌汚染抑制に向けた長期計画の一環として、2016年以降1300社以上の重金属企業を閉鎖したことを明らかにした。

土壌汚染は中国の最大の環境問題の1つ。2014年に行われた直近の全国調査によると、中国の土地の約16%─モンゴルの面積に相当─が、肥料や殺虫剤、重金属、プラスチック、その他化学物質によって汚染されていることが分かった。

中国環境省の土壌汚染対策責任者の蘇克敬氏は29日の記者会見で、来年末までに汚染農地の約90%を農業に適した状態に浄化するという目標は達成できる、と自信を示した。

汚染された土壌の浄化には、1mu(667平方メートル)当たり500元(約71ドル)から最大2000元のコストがかかるとされ、中国の土壌浄化には数兆元が必要になる可能性がある。

これについて蘇氏は、目的はすべての土壌を浄化することではなく、むしろリスクへの対処と強調。「土壌汚染の防止や浄化はカネがかかると考えるのは偏っている。優先事項は、汚染を防止することと、汚染がもたらすリスクをコントロールすること。本当に浄化が必要な土地はごく一部だ」と主張した。



[北京/上海 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191203issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月3日号(11月26日発売)は「香港のこれから」特集。デモ隊、香港政府、中国はどう動くか――。抵抗が沈静化しても「終わらない」理由とは? また、日本メディアではあまり報じられないデモ参加者の「本音」を香港人写真家・ジャーナリストが描きます。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ウクライナ議会、復興担当副首相と農相の解任決議案を

ワールド

ロシアの核抑止力強化、西側諸国の行動が理由 外務次

ビジネス

日産の今期営業益予想5.5%増、為替変動や生産性改

ワールド

プーチン氏「戦略部隊は常に戦闘準備態勢」、対独戦勝
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必要な「プライベートジェット三昧」に非難の嵐

  • 3

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 4

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 5

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食…

  • 6

    この夏流行?新型コロナウイルスの変異ウイルス「FLi…

  • 7

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽…

  • 8

    ロシア軍兵舎の不条理大量殺人、士気低下の果ての狂気

  • 9

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 10

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 8

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 9

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 10

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中