最新記事

SNS

誘惑に負けない「脳」はつくれる 「スマホ中毒」のメカニズムと治療法

2021年12月16日(木)18時21分
flier編集部

依存症は個人の性格の問題ではない

211216fl_smp03.jpg

『僕らはそれに抵抗できない』
 著者:アダム・オルター、上原裕美子(訳)
 出版社:ダイヤモンド社
 flierで要約を読む

スマホは、まさに新時代の依存対象として認知されるようになりました。

長時間のオンラインゲームや、「ツイ廃」、インスタグラムへの没入といった「SNS中毒」もそのひとつ。こうした、「悪いと感じていながらついやってしまうこと」を「行動嗜癖」といいます。

『僕らはそれに抵抗できない』は、新しいテクノロジーを利用した「依存症ビジネス」に迫った本。そこでは、「依存症は性格の問題ではなく、当人の虚無感などを癒すようにデザインされた環境、プロダクトが関係している」と解説されています。『スマホ脳』でも書かれていますが、多くのヒトが依存しやすい条件が提示されるので、「自分は大丈夫」ということは決してありません。

何かにチャレンジすること、努力が実ること、注目されること。普通に考えれば「良い」ことであっても、いまのテクノロジーはそれへの渇望を異常にドライヴしてきます。

でも、悪いのはテクノロジーそのものではなく、プロダクトそのものでもない、と著者は説きます。「人を依存状態にさせることが目的ではなかったはずなのに」と反省しだす開発者もいるようです。

「新しい依存症」からどう逃れられるのか。どうすれば私たちが依存体質にならずに済むのか。その方法も、この本から学べます。落とし穴にハマる前にぜひ読んでおきましょう。

誘惑に負けない強い脳のつくり方

211216fl_smp04.jpg

『最強脳』
 著者:アンデシュ・ハンセン、久山葉子(訳)
 出版社:新潮社
 flierで要約を読む

『スマホ脳』の著者は、スマホに侵食される恐ろしさを明らかにしただけでは終わりません。

続く『最強脳』では、「書を捨てて街へ出よ」とでも言わんばかりに、アクションを促します。スマホに対抗するには脳を鍛える必要がありますが、脳トレではなく身体を動かすことがいかに効果的か、科学的に解説しているのです。

「えー、でも筋トレとか、ジョギングとかめんどくさい......」と思ったあなた、ご安心ください。運動が得意でない人や子どもでも簡単に取り組める方法を紹介しています。

行動嗜癖を助長する製品、サービスは、これから先もひっきりなしに出てくるでしょう。シンプルに脳の働きを強くしておけば、きっとあなたを守ってくれます。なにせ、『スマホ脳』著者のお墨付きの方法なのですから。

ところで、フライヤーもネット環境を利用したアプリケーションです。「依存」するほどハマったとして、そこで得られるのはリアルで使える知識、ノウハウ、教養なので、きっと脳の栄養になるはず! 「今日もフライヤーでたくさん勉強になっちゃった」と思っていただけるように、これからもがんばって参ります。

flier編集部

本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。

通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

flier_logo_nwj01.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英サービスPMI4月改定値、約1年ぶり高水準 成長

ワールド

ノルウェー中銀、金利据え置き 引き締め長期化の可能

ワールド

トルコCPI、4月は前年比+69.8% 22年以来

ビジネス

ドル/円、一時152.75円 週初から3%超の円高
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中