最新記事

ガジェット

腕時計の中にイヤホン!?「中年向けブランド」から一新、ファーウェイからニッチな高性能スマートウォッチ続々発売

2023年6月21日(水)21時10分
高口康太(ジャーナリスト)

さらに、もう一つ投入されたユニークなスマートウォッチが「HUAWEI WATCH D(ファーウェイ・ウォッチD)ウェアラブル血圧計」だ。

takaguchi20230620huawei_4.jpg

筆者が一番魅力を感じた「HUAWEI WATCH Dウェアラブル血圧計」は精度の高いオシロメトリック法を採用

血圧が測れるスマートウォッチは複数のメーカーが販売しているが、精度の高いオシロメトリック法(手首や上腕部にバンドを巻いて、加圧することで計測する手法)を採用している製品はきわめてまれ。オムロンに続いてファーウェイが2社目となる。

50歳を目前にひかえ、体にガタが来まくっている筆者にとって一番魅力を感じたのは、このHUAWEI WATCH Dだ。

takaguchi20230620huawei_5.jpg

毎日の計測でも安心な耐久性を備えた「HUAWEI WATCH Dウェアラブル血圧計」

歩数や活動量を計測するウェアラブルバンドを新調しようと思っていたところで、しかも医者から「毎日記録しろ!」と怒られている血圧まで測れるのは素晴らしすぎる......、これは「中高年ガジェット好きにバカ売れするに違いない!」と確信、新製品発表会でファーウェイの担当者に話したところ、「いや、これは絶対売れないですよ」と、驚きの自社製品下げの発言が返ってきた。

「健康マニア」と「ガジェットマニア」の双方を兼ね備えている消費者はごく少数なので、ニッチな売れ行きしか期待できないとの説明だった。

ニッチといっても、中国での販売台数は数十万台に達しているのだとか。調査会社カウンターポイントによると、2022年の中国スマートウォッチ市場でファーウェイはシェア27%とトップ、2位のアップル(20%)を引き離しての王者となった。巨大な中国市場を背景に、ニッチな分野の商品も開発できるというわけだ。

しかも、機能を載せただけではなく、よく出来ている。


■HUAWEI WATCH Dウェアラブル血圧計
※Amazonでも販売中。商品ページはこちら

通常価格:60,280円

サイズ:約38mm×約51mm×約13.6mm/ディスプレイ:1.64インチAMOLED(有機EL)280×456ピクセル/センサー:加速度センサー、ジャイロセンサー、光学式心拍センサー、温度センサー、圧力センサー、ALSセンサー/対応OS:Android 6.0およびそれ以降、iOS 12.0およびそれ以降/バッテリー持続時間:通常使用の場合約7日間

ファーウェイは2022年、3兆1600億円もの研究開発費を計上している。EUの報告書「EUインダストリアルR&D投資スコアボード」によると、アルファベット(グーグル)、フェイスブック、マイクロソフトに続く世界4位。あのアップルやサムスンを上回っている。金額以上にすさまじいのがエンジニアの数だ。2022年末時点で11万4000人ものエンジニアが所属している。

ファーウェイはもともと、圧倒的な研究開発費とエンジニア数を生かして王道の製品作りを行っていた。中国では「中年向けブランド」とも言われ、「遊び心はあまりないが、しっかり作られていてちゃんと動くし壊れない」とのイメージが強かった。それが一転、スマートフォンが売れなくなったばかりに、ありあまるエンジニア・パワーによって、ユニークな商品が次々と生まれるようになった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独VW、仏ルノーとの廉価版EV共同開発協議から撤退

ビジネス

米下院、貧困や気候問題の支出削減法案 民主党反対 

ワールド

米FRB議長がコロナ感染、自宅から仕事継続

ビジネス

グローバル株ファンドに資金流入、米利下げ期待受け=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 2

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 3

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 4

    無名コメディアンによる狂気ドラマ『私のトナカイち…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 7

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 8

    他人から非難された...そんな時「釈迦牟尼の出した答…

  • 9

    「香りを嗅ぐだけで血管が若返る」毎朝のコーヒーに…

  • 10

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中